この日の朝、テレビをつけるとまず目に飛び込むのは広島の景色で、ああ、今年もこの日が来たんだな、と。

黙祷をしながら、暑かったであろうその夏の日のことを想います。

そして、この日は父の誕生日。

当時10才の少年はうれしいはずの誕生日を毎年複雑な思いで迎えてきたのだと思います。

隣の県で育ったので、決して遠くの出来事であるはずもなく。
この一日を毎年毎年、受け止めてきたのだと思う。

今年はケーキに名前を入れてもらって○○くん、とか、○○ちゃん、ってしてもらえばよかったね、なんて言いながら、誕生日の歌を歌って、ロウソクの火を吹き消しながら笑いあって、おいしくいただきました。

私が病気をしてから、あまりお祝いとかプレゼントをしなくなっちゃったけれど、時々実家に帰って、喧嘩しながらもたくさん話をして過ごすことも、親孝行になるんだと、ご機嫌でお酒をちょっといつもよりも飲みすぎる父を見て思います。