自衛隊幹部候補生学校 | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

私は防衛医大出身です。
卒業後は医師として働くだけではなく、自衛官、その中でも幹部(つまりは将校)として勤務しなければならない立場でした。
大学病院で働く分には通常の医師と変わりませんが、数年勤務したら自衛隊の部隊に配属され、自衛官として勤務することになります。有事の際の野戦病院の演習もしますし、今では現実にPKO、国際救護活動などにも派遣されます。
その際には自衛隊の組織の一員ですから、自衛官としての知識や技術を要求されます。
そのため、大学卒業後に医師国家試験を受験、合格発表までの間は自衛隊の学校に入校し、幹部自衛官としての素養を身につけさせられました(受験後休む暇がありません)。
たった2ヶ月ほどの間ですが、医師になるべく身につけた知識は一時忘れ、自衛官としての教育を受けます。その内容としては、戦術、化学兵器に対する防護方法、戦闘訓練(ほふく前進など)、実弾射撃、塹壕掘りなどなど、色んな意味で興味深いものでした。
今は全く役に立つことはありませんが、自衛隊という組織の特殊性を十分に堪能しました。もちろん戦闘服を着て野山を走り回るなども、そうそう経験できません。


組織というものの中での医師の位置づけというのは、もちろん特殊なものではありますが、決して特権階級ではありません。医師であろうとも、その組織の中では、十分にその特性を把握し、理解して初めて医師としての役割が果たせるものです。
一般の医大を出た医師のうち一部には、医師が特権階級かのように振るまい、何事も自分本位で、思いが叶わないと文句を言ったり、高圧的になる輩がいます。
そういう意味ではこの幹部候補生学校での経験は、医師になろうとする人間のおごり高ぶる気持ちを無意識のうちに抑え、正常な判断ができるようになる良い機会であったなと思います。
人生何でも無駄はないものです。いや、そういうふうに思わないといけないんだと感じます。
この美容医療の仕事の中でも、嫌なこともありますし、逃げ出したくなることもあります。未熟であるがゆえに自分の責任での失敗やトラブル、もめ事、様々なことを経験するたびに、自衛隊の組織で得た経験が役に立っているのかなと思います。