ニキビ跡治療における重要なポイント | 美容外科開業医の独り言

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ニキビ跡の治療には微細なドット状のビームを無数に照射して”皮膚を入れ替える” フラクショナルレーザー各種を使用することが多いのですが、これらの治療はあくまで皮膚の改善です。

最近これらの治療回数が増してきた患者さんに対してよく説明するのですが、ニキビによって皮下脂肪の萎縮や癒着が生じてしまっている部位というのはレーザーでは改善しないのです。ひどい場合は多分皆さん理解頂けますが、何となく皮下脂肪が減っているような感じの場合、通常のニキビ跡とパッと見た目は変わりません。なだらかに凹んでいるように見えます。
しかしレーザーで効果が出ないのです。
皮膚の治療だけでは不十分で、脂肪を注入したり、PRPやヒアルロン酸、コラーゲン注入が必要となります。この区別をするには、仰向けに寝てみると良いと考えています。仰向けに寝ると緩やかな脂肪減少によるものはかなり軽減して見えます。その状態で凹んでいるものがレーザーで改善する、つまり皮膚自体の歪みによるものだと、説明しています。また残念なことに、たるみの影響で皮膚の凹みが目立ってしまうケースもあり、これも同じ事が言えます。

フラクショナルレーザー自体、ニキビ跡が完全に消えるものではなく、浅くなっていく治療ですから、こういった皮下の萎縮がある時は効果も弱く感じられることがあります。その場合は注入をするのか、もしくは加齢の要素もある場合は皮膚を引き締める治療(仰向けの顔に近づける治療)も一つの選択肢でしょう。

もちろん、レーザーアブレージョンという熱を与えながら削り取るような治療においては、皮膚の引き締め効果もあるので、これらの要素はある程度まで解決できます。ただこの方法、半年を超えるダウンタイム(赤みや色素沈着)があるのが欠点です。