洗顔の歴史的考察:洗顔は悪者。。。。 | 美容外科開業医の独り言

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以前から何度か書いていますが、過剰な洗顔は肌を傷めます。
石けんで洗うという行為は近年になって広まったものであり、石けんとはもともとは服を洗うなど洗剤だったのです。
そして、江戸時代まで遡ると、石けんは人体に使うものではなかったのです。

各種文献によると、古代の日本では衛生上の理由で洗顔(体を洗うことも含め)はしない方が良いとされていました。あくまで宗教的な「清め」の理由で体を洗っていたとのことです。
特に仏教では沐浴ということで体を洗う習慣があり、宗教的広まりとともに洗うという習慣が出てきたのです。ただ、湯浴みは5日に一度!!だったようです。それ以上は肌を傷めると。

鎌倉時代になって洗顔の習慣が生まれたとされています。
この頃は「そう豆」という小豆や白檀などを混ぜた洗浄料が用いられていましたが、これは現代と異なり界面活性剤・洗剤系のものではありません。現在で言うところのサポニン(小豆に含まれる成分)など酵素洗剤の一種だったと考えられています。洗髪には米のとぎ汁や灰汁が用いられていたとの記載もあります。
一般の人まで広く洗顔するようになったのは江戸時代からです。やはり酵素系のぬか袋によるものだそうで、おそらくは銭湯がある都市部では盛んに使われていたみたいですが、地方になると殆ど記述がありません。
石けんとなると幕末・明治以降の話です。国産は棒石けん(洗濯石けん)にはじまり、花王の化粧箱入りの石けんが明治23年。世界的に見ても大量生産された石けんが使えるようになったのは19世紀の終わり頃です。
洗顔自体、石けん・界面活性剤でしっかりおこなうようになったのはごく最近のことです。
それまで洗顔はあくまで衛生状態を考えることが主たるものでした。
昔の日本人の肌は綺麗と言われていましたが、洗顔の習慣とともに肌が汚くなってしまったのでしょうか?
そう言えば、うちのおばあさんやひいおばあさんはしっかり洗顔していなかったような。。。。

この洗顔による肌ダメージ、みなさんお分かりだと思いますが、メイクとの関わりという重要な因子があります。メイクの西洋化とともに日本人の肌はどうなったのでしょうか?

続きはまたいずれ。