日本レーザー医学会:美容医療機器は未承認機が大半。今後はどうなる? | 美容外科開業医の独り言

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先週金曜から今週火曜まで、日本レーザー医学会、日本美容外科学会に参加のため休診させて頂きました。患者様にはご迷惑をおかけしました。

レーザー等を用いた美容医療を主たる仕事としている関係上、これらの学会で最新の情報や他分野の新しい知識を得るため、毎年参加をしています。そのうえ、この2つの学会で評議員をさせて頂いておりますので、会議などもあり、毎年この時期は休診日が生じ、申し訳ありません。

 

さて、日本レーザー医学会が先週末に北海道の旭川で開催されました。

 

皮膚科形成外科関連の発表が幾つかあったので、それを拝聴。そして翌日はレーザー関連の機器承認に関するシンポジウム。各科の現状と、承認機関の状況など、医師側だけでなく機構側からも参加発表があるという産学合同シンポジウムですので、非常に勉強になりました。

我々美容医療の世界は、厚生労働省から認可された機器を使うよりも未承認の機器を使うことの方が圧倒的に多いのです。この承認というのが非常に大変で、お金もかかります。癌などの患者数が絶対的に多い領域と異なり、美容領域では機器の販売など数十台規模ですから、諸費用・臨床データを作る手間などを考えるとほぼ不可能なのです。

 

そのような状況下で政府の方ではインターネットのホームページをはじめ様々な規制が検討されています。未承認の機器は医療機関から情報を提供することが原則不可能という話もあります(機器の名前や効果効能も)。どこまで規制されるのか、美容外科学会でも討論がありましたが、承認システムがどう変更されるか、どこまで美容医療機器が承認されるようになるのかというのは非常に重要です。

 

諸外国では医療機器として販売されているものが日本のエステで使用されている例があります。未承認機器では医療機器かどうか国内では誰も断言できないからです。

結果、医療機関では使っていると表立って言えなくて,エステは広告までできる、これは「??」です。

今回のシンポジウムで機構側から呈示されたこととして、レーザーの承認は、昔々の基準でレーザー「メス」という位置づけでしたが、これを緩和し(既に決定済み)、さらに機構側との相談をもっと容易なものにするようです。

 

今回のシンポジウムで踏み込んだ話しが出たことは喜ぶべき事です。もちろん美容医療だけの話しではないですし、まだまだ低レベルでの進展ですが、世界的に見て圧倒的に遅れている日本の承認システムにも少し光が見えてきたかもしれません。もちろん、そのようなことが整ってから規制をするべきなんですが。。。。今厳しい規制をしたら我々の業界は全て焼け野原です。

 

さて、地方都市開催の学会での楽しみは食事。

お昼は旭川ラーメンの名店、蜂屋へ。

 

そして夜は以前北海道で勤務していた時の部下、田村明美先生と楽しい食事会。

 

すき焼きの三光舎。味噌ベースのすき焼きです。

 

田村先生は研修医終了後すぐに私の下で働いたので、実に様々なことを基本から教えた思い出があります。今では立派な旭川の名医。ちょうどクリニック移転でバタバタだったようですが、駆けつけてくれました(田村先生のブログはこちら)。旭川で美容医療をお受けになりたい方は是非こちらへ。私自身が最も長く指導したドクターですので。

 

 

 

色々と昔話に花を咲かせた夜でした。