biostimulator エランセによる目の下の弛み・シワ治療 | 美容外科開業医の独り言

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昨年から始めた新しい注入手技 エランセによる目の下のクマ、たるみ、しわ治療(hyperdilution technique)の結果が非常に良く、最近ではかなりの症例数を実施しています。

脂肪が飛び出てしまった、いわゆる目袋の高度な症例には無効ですが、しぼんでしわになった状態や、凹んでしまったクマ、軽度の膨らみなどでは対応することが可能です。

従来,目の下のシワやたるみの治療はなかなか良い結果が出ない場合もあり、手術を考慮することもありました。このエランセによる治療によって、全員が適応とはいきませんが、ある程度まで対応できるようになりました。

他の治療、頬正面や目下のくぼみへのヒアルロン酸注入、ちりめんじわへのPRP治療なども併用することで、よりその適応範囲は広がりつつあります。そして現在、目の下の脂肪突出に対してもレーザー治療をテスト中であり、下まぶたのシワたるみに対する治療方針が今年は大きく変わっていきそうです。


この手法はbio-stimulator、つまり注入剤そのものでボリュームを補填するのではなくコラーゲンを増生させ、張りを作っていくことが主となります。マレーシアや韓国のドクターに直接話しを伺い、実技指導も受けましたが、さらにbio-stmulatorに関する論文も出てきており、これらを参考にして当院での手技を確立させました。

通常の注入剤の手技とは全く違い、喩えるなら、泥水を床に撒いて、乾いた、水が引けた時には薄く均一に土が層になって残る、そんなイメージの注入法です。均一に敷き詰められたエランセという物質が周囲を刺激し、コラーゲンを発生させ、張りをもたらします。1年ほど効果は持続するとされます。

 

薄くコラーゲンの壁が出来るようなイメージです。

そして腫れぼったくならないので、従来のヒアルロン酸で埋めるような「ぱんぱんに張った」目の下にならずに済みます。

 

但し、大きな欠点があります。水分で希釈してから注入するために、特に最初の3日ほどはかなり浮腫んでしまいます。1週間ほどで水分は吸収され、浮腫は取れますが、この間は注意が必要です。