たるみ予防と家のメンテナンス | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
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今日はいつも診療中に話す例え話を。

機器によるたるみ治療によって加齢性の変化を予防する、これは私がよく使う説明です。ではいつからか。

以前ハイフHIFUの記事でも書きましたが、あまり若い年齢から強力な機器で予防することはお勧めしません。

ご自身の顔🙂が新築の家だと思ってください。傷んでいく、傾いていくのがたるみです。

顔という家は建て替えが出来ません。古くなってきても(老化しても)上手に付き合うしかありません。しかしハイフやサーマクールのような痛みのある機器は傾いていく🙂家を支える事ができます。皮膚という壁にコラーゲンという板を打ち付けて(産生して)、支えていく事が出来ます。🙂家が傾き出したら(たるみ出したら)、早いうちにケアしてあげる事で傾き(弛み)を最小限に食い止めます。

では、新築の家を買ったばかりで、傾くのが心配だからといって大量の板を打ち付けるでしょうか。板は半端な木材、それを打ちつけて、元々の綺麗な壁をぼろぼろにするでしょうか。たとえ見えない場所でも、板だらけの壁は必要でしょうか。🙂も同じ。若いうちに機器でコラーゲンを作り出すようにするとあっても、焼いて出来るコラーゲンは決して若々しいものとは言えません。

弛みが心配なのは分かりますが、若返りの魔法の機器がない以上、若いうちから肌を焼いてしまうのは良くないのです。

しかし家が古くなってきたら、沢山板を打ちつけて補強するべきです。多少雑でも、傾ききってからでは元に戻せません。加齢し始めた🙂でも、ガッチリコラーゲンを作って「癒着」させて上げるべきです。🙂ならそれは20代ではなく30代半ばからでしょう。それも、やり過ぎず。そこは医師の腕の見せ所です。


そして、

新しい家は、日々しっかり手入れして、壁を掃除して、メンテするのが王道です。ずっと放置して、突然手入れしても間に合いません。🙂も同じ、破壊しないレーザーや高周波は幾つかあります。劇的ではなくても調子良く、張りが出れば、十分良いメンテなのではないでしょうか。

そして何より、壁をコーティングして(保湿して)、外からのダメージ(紫外線や乾燥)から守り、こまめな日々のケアこそが重要なのです。ダメージから守るのはいつから?家では新築の時から。🙂も同じで早いほど良いのです。紫外線による光老化は若くても進みます。南米の山岳民族(高地で紫外線が強い地域に住む人々)は若くして皺だらけです。

ただし、皮膚、特に表皮から上は家の壁と違って、日々代謝していきます。新しくなっていく部分、ターンオーバーもあります。若いうちは活発でも加齢とともに衰えるので、これを刺激してあげるピーリング等の手段もあります。

家と全く同じではありません、当たり前ですが。