富士山誌に詳しい人なら
宇津湖、または宇宙湖(いずれも「うつのうみ」と読む)の話は
ご存知だと思う。

かつて
忍野盆地は湖であり
山中湖とつながっていたという説。
その湖の名前がそれだ。

西暦800年の「延暦の噴火」で
山中湖と忍野湖に別れ
その後、忍野湖は浅い湖であったため
干上がってしまい
忍野八海になったという話。

現在は
旧忍野湖と山中湖は海抜が異なるという説がでてきて
「うつのうみ」は存在したか存在しなかったかは
今後の研究結果を待つより他はない。

宮下文書によれば
「うつのうみ」は重要なポイントとして
記述されている。

「うつのうみ」の出鼻(岬のことと思われる)に
豊玉媛尊が産気づき
そこに産屋を建てて
「ウガヤフキアエズの尊」を産んだというものだ。

現在そこはマウントフジというホテルが建っているところだけれど
そのふもとに
なんと、豊玉媛が奉られている。
そこは「諏訪神社」だが
国道を挟んで「浅間神社」
すなわちコノハナサクヤヒメの尊が祭られている。

富士山北麓の「浅間神社」はなぜか
諏訪神社とカップリングされていることが多くて
しかも、諏訪神社の御祭神は
タケミナカタのミコトなのだけど
富士山北麓の諏訪神社は「豊玉媛」である。
もっともどちらも龍神さんなので
そして血縁もあるようなので
それほど不思議はないのかもしれない。

うつのうみの出鼻のふもとに
存在する諏訪神社。
 
欄干に
赤子を抱く豊玉媛の尊
 
今でも山中湖、山中地区で9月に行われる
安産祭り(ウガヤフキアエズを産んだ故事に由来する)
の説明文
 
そして
私が気が付いた
この諏訪神社の本殿の方向!
(つまり何に向かってお参りするのか?)

幻の「うつのうみ」(つまり現在の忍野八海)の
方向だ!

この事実は
何を意味するものなのだろうか?

この探求は
まだまだ続きます!