スペインバスクからこんにちは! その6.事故後に起こったもう一つの問題 | 水谷孝のブログ「つれづれなるままに」

みなさんこんにちは!

 

ご機嫌いかがですか?

 

前回のブログでは、正面衝突事故後に起こった二つの問題のうちの一つであった、相手方のフランスの保険会社(加害者の運転手がフランス人だったので。)の、事故後の対応が、日本の保険会社に比べて(そもそも比べるレベルではないのですが、、、)、とてもとても不誠実だった、というお話しをさせていただきました。

 

何しろ保険会社の担当者の顔も、加害者の相手の運転手の顔も、一度も見ることがなかったのですから、日本人の感覚としては、とても信じられませんでした。

 

今回のブログでは、事故後に起こった残りのもう一つの問題のお話しをしたいと思います。

 

もう一つの問題は、僕も妻も、大破したオペルカデットを、スクラップ工場に持っていって、スクラップにしてしまうことは、どうしても受け入れられなかったことでした。

 

僕も妻も、オペルカデットに、人格(車格?)を感じるくらい強い愛着を持っていたので、僕たちにとって、いくら事故で大破したからといって、簡単にオペルカデットをスクラップにするということは、まるで愛する飼い犬や飼い猫が、重い病気になったからといって、最善の治療も施さずに、即安楽死の注射を打つのと同じような気がしたのです。

 

妻と二人でいろいろ考えた末に、オペルカデットをスクラップにする前に、最善を尽くして、オペルカデットを救う道を探そう、という結論に達したのです。

 

事故後に、オペルの担当者が、大破したオペルカデットを、スクラップにするために、レッカー車で運んでしまっていたので、急いで担当者に電話をして、「しばらくオペルカデットをスクラップにするのは中止してください。ちょっと伺いたいのですが、もう一度乗れるように修復するのは可能ですかねえ?」と聞いてみたのです。

 

担当者の説明は、、、

 

担当者「修復できないことはありませんが、ものすごく費用がかかりますよ。間違いなく新車で買った時よりも、もっとかかりますよ。それにこれだけ大きな事故を起こした車というのは、追突の時の強い衝撃であちこちに歪みが生じますから、最大限修復したとしても、絶対に元のようには戻りません。悪いことは言いませんから、他の車を買った方がいいですよ。」

 

僕「私も妻も、オペルカデットが大好きなので、修復できるのであれば、修復したいと思っています。一応、いくらいくらいかかるのか、見積もりを出してくれますか?」

 

担当者「そうですか。わかりました。早急にご返事します。」

 

それから1週間ほどして、オペルの担当者から連絡があり、一応元の状態に近い形に修復するためには、オペルカデットを新車で買った時よりも10万円ほど高くなる、ということと、いくら修復しても、全ての歪みを治すことはできないので、以前のような安定した走行はできないと思う、という返事があったのです。

 

その返事をもらって、僕と妻は「大破したオペルカデットをスクラップにして、他の車を買うか」それとも「オペルカデットの新車の金額に、さらに10万円を上乗せした金額を、払ってでも、大破したオペルカデットを修復するか」二者択一に迫られました。

 

けっきょく、僕も妻も、オペルカデット以外の車を買うくらいなら、たとえ完全には元に戻らなくても、オペルカデットを修復して、乗り続けたいという気持ちが強かったので、オペルの担当者に、その旨を伝えて、修復してもらうことにしたのです。

 

町の修理工場に頼めば、オペルのディーラーよりだいぶ安くなったとは思いますが、町の修理工場は、オペルの看板を背負っているという責任感がない分、最善を尽くした修復を望めない気がしたので、オペルに修復を頼みました。

 

修復後、外見上は事故の前とほとんど遜色がないくらいの姿で戻ってきたので、さすが修復のプロはすごいなと思いました。

 

そして再び愛するオペルカデットの雄姿を見ることができて、とても感動しました。

 

そして修復後のオペルカデットは、それから約15年間の長きにわたって、僕たちのために走り続けてくれたのです。

 

自分に全く責任のない事故で、愛するオペルカデットが大破したことは不運としか言いようがありませんが、修復後15年間の長きにわたって、愛するオペルカデットと一緒に生きられたことは、僕たち家族は本当に幸せでしたし、僕たち家族にこれほど愛されたオペルカデットも、幸せな車人生(?)を送ることが出来たのではないかと思います。

 

続きは次回のお楽しみに!

 

それではまた来週の金曜日にお会いしましょう!

 

みなさんお元気で!

 

スペインのイルンより心を込めて、、、

 

水谷孝