見事な脚本「ラストナイト・イン・ソーホー」2022(9) | Mの映画カフェ♪

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LAST NIGHT IN  SOHO
2021年 イギリス

監督 エドガー・ライト
脚本 エドガー・ライト、クリスティ・ウィルソン=ケアンズ

主演 トーマシン・マッケンジー(エリー)、アニヤ・テイラー・ジョイ(サンディ)、マイケル・アジャオ(ジョン)、マット・スミス(ジャック)、テレンス・スタンプ、ダイアナ・リグ(ミズ・コリンズ)他

2021年公開の作品
早稲田松竹で観ました。観て良かった…
すっごく面白かった!

デザイナー志望のエリー
ファッションの学校に合格して憧れの都会、ロンドンで寮生活を始めるが
ルームメイトとそりが合わず、別の部屋を借りて住むことに

内向的なエリー
次第に精神的に追い詰められて…
というサイコサスペンスと思いきや

ホラーな展開もあり、
事件があり!真実があり!オチもあります。

エリーの家族、意地悪な同級生、ボーイフレンドや
夢(?)の中で会う1960年代の人々も丁寧に描写されていて手抜きがない。
音楽もファッションも楽しく、全方位的に文句のつけようがありません。

なかなか他人に心を開かないエリーが心配になり、破滅的な展開を予想してしまいますが
「ロンドンは危険な街」「都会に飲み込まれないで」という呪縛(アドバイス)を克服し、自信を身につけ、信頼できる人もできた姿に嬉しくなる
さわやかな青春映画だったりもします。

たくさんの映画へのオマージュが感じられるのも特徴で
わたしは「サイコ」「シャイニング」「サスペリア」などを思いだしました。

オマージュがパクりではなく正しく敬愛といった意味合いで、監督の中で消化されて新しい作品となった感じ
「ご都合主義」やチープな「伏線回収」「ネタバレ厳禁」とは一線を画す作品です。

部屋を借りるシーンの会話のひとつひとつが
後からすべて意味がわかるんですけど…
いやまさかですよね。

脚本のひとりクリスティ・ウィルソン=ケアンズは「1917」も共同脚本している人ですね。良い意味で要注意人物と思いました

また、エドガー・ライト監督は俳優の魅力を引き出すのが上手い(「ベイビー・ドライバー」のアンセル・エルゴートもむちゃくちゃ可愛かった)
アニヤ・テイラー=ジョイが魅力的なのはもちろん、あまり好きでないトーマシン・マッケンジーもすごく良かった。好きになれそう

もう一回観たい!


(5月19日 早稲田松竹)