Mの映画カフェ♪

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映画の感想など



Rifkins Fes
2020年 スペイン・アメリカ・イタリア
監督 ウッディ・アレン
主演 ウォーレス・ショーン、ジーナ・ガーション、ルイ・ガレル他

2020年の作品
ウッディ・アレンが84才で撮った作品
年齢的には無理もありませんが

年寄りの独り言を聞かされているようで…

ものすごく眠かったです。

大学で教鞭を執っていたモート
妻は20才近く年下の美魔女
撮影時、ジーナ・ガーション50代後半と思いますが
いやいや若くてキレイです。

妻は最近評価の高い映画監督に
夫は旅先で出会った美人女医に
夢中になるという話、

さすがに…
もういいよ、という気持ちに。
社会的な映画は一過性のもので
人生の本質を描いてはいないのだ、という
映画批判というか愚痴はまぁ面白かったですが

ウッディ・アレンにとって人生で一番大切なのは愛、らしく
その愛がまた一過性なんです。

若くて美しい異性に次々と目移りするのは本能だとしても
それは人生の充足感には結びつかない

「トホホ」な終わりかたをするのが持ち味、とはいえ

ここへきて「モテたいだけ」
という子供っぽさと老人らしさが

なんだかみっともないなぁと思いました。
ウッディ・アレン作品、基本的には好きですが

残念。



2024年2月17日 恵比寿ガーデンシネマ


イ・チャンドン レトロスペクティブ
ヒューマントラストシネマ有楽町


2023年8月28日(月)18:30

「バーニング 劇場版」

9月4日(月)15:50

「シークレット・サンシャイン」

9月11日(月)16:35

「グリーンフィッシュ」

9月16日(土)14:35

「オアシス」

9月18日(月)14:35

「イ・チャンドン アイロニーの芸術」(監督 アラン・マザール)


バーニング、シークレット・サンシャイン、オアシスは2回目鑑賞

何回観ても胸を打たれます


今回の特集上映でイ・チャンドン監督が来日され、俳優の仲野太賀さんと対談をされたそうです。みたかったなぁ


・・・・・

初めて「オアシス」を観た時の衝撃が忘れられない。 この映画に触れてしまった僕は、もう観る前には戻る事ができないと思った。

仲野太賀

・・・・・


本当にその通り

そして一番好きな作品は「シークレット・サンシャイン」だそうで、こちらも深く同意です



10月にもう一本

「お前の罪を自白しろ」

監督 水田伸生

ケンティー…いつも一所懸命ですが、なんか肩に力が入っているのがちょっと。

ドラマ「シッコウ!!〜犬と私と執行官〜」はまあまあだったのに…

映画自体はなんというか普通でした。


2023年 日本

監督 ヴィム・ヴェンダース
主演 役所広司、柄本時生、アオイヤマダ、中野有紗、石川さゆり、田中泯、麻生祐未、三浦友和 他

これって…
西川美和監督「すばらしき世界」と対ですか!?
と思うほど、役所広司さんの「平山」が「三上」でした。
辛い育ち方をした三上
育ちの良さそうな平山
しかし質素な暮らしぶりが重なります。

平山の仕事は都内の公衆トイレの清掃
畳敷きのアパートの部屋に今どきラジカセとカセットテープ、
古本屋で買った文庫本

古いものに囲まれているようで、平山のこだわりが垣間見える

銭湯、ピンク色の公衆電話、浅草の地下の居酒屋、歌のうまいママのいるスナック

昭和の世界が現存します。
そして、波風の立たない毎日にも、ちょっとしたトラブルや人とのかかわりが起きる

平山の過去については描かれていませんが
何かがあって色々なものを捨ててきた人だということはわかる

寝起きする部屋はきちんと片付いているが
たくさんの段ボールの積まれた小さな荷物部屋がひとつあり、事情があって引っ越してきたものの、使わない、捨てきれないものたちがある。必要があれば家族に連絡も取る。
スナックのママが他の男と抱きあっているのを見てがっかりしたりもする。

平山はすべてを断捨離したわけでもないし、まったく煩悩がないわけでもない。

それでも自分の収入の範囲内で過不足なく生活し、他人に迷惑をかけないし(できれば)かけられたくもない

孤独を選択する勇気と
結局そんなに格好よくは生きられない人間の姿が描かれていました。

「枯れ葉」ともオフビート感が重なりますが
「枯れ葉」は物はあっさり捨てるけど人間関係は捨てない 
「PERFECT DAYS」は物は捨てないけど過去はバッサリ捨てる

断捨離のしかたも人それぞれですか…

こういう、比較的なにも起こらない映画が評価されるのはうれしい。
ジム・ジャームッシュの作品と言われたら、そう思うかも

・・・・・・・
追記
平山が毎日かかさず水をやる植物
観葉植物でも盆栽でもないし何だろう?と思っていたら
なんと、抜いて捨てられる運命の雑草を丁寧に持ち帰って世話をしている!!
野良猫ならぬ野良草!

誰も目を向けない生命を大切にし、木漏れ日の写真を撮る平山は
やっぱり素敵な人です
・・・・・・・

2024年2月12日 T・ジョイPRINCE品川


kuolleet lehdet
2023年フィンランド・ドイツ

監督 アキ・カウリスマキ
主演 アルマ・ポウスティ、ユッシ・バタネン他

最近のカウリスマキには正直、あまり期待していなかったんですが

…面白かった、いや素晴らしい


ロシアのウクライナ侵攻がラジオのニュースから流れる2023年


北欧も日本と同じく

派遣や契約で労働者は使い捨て。お互いを思いやるにも勇気のいる世の中で


生きることはなかなか厳しい。

少しのユーモアと優しさのおかげで、なんとか日々を過ごしている、


スーパーをクビになったアンサと工事現場を転々とするホラッパ

私にはこの二人、ジェルソミーナとザンパノに見えました

ザンパノはまた永遠にジェルソミーナを失ってしまうのか


登場人物の名前、なかなか明かされません

元野良犬の名前も最後にチャップリンと明かされて

名前がなくても誰にでも起こりうる物語

淡々としているようで、実は良く練られた完成度の高い脚本です


口数が少なく無愛想なアンサですが

その行動から寂しさ、優しさ、悲しみも伝わってきます

お皿を捨てるシーンが切なかった…


私は途中から涙が止まりませんでした


戦争を憂うけれど、まずは自分の生活を立て直すことが先決で

身近な問題から解決するしかない

カウリスマキ監督に強く共感します


見捨てない、切り捨てない、近くにいる誰かに手を差し伸べる人は


地球を救うヒーローより尊いと私は思う。

誰かの優しさが誰かを救う

それは自分の身に起きることかも知れません。

カウリスマキはついに、国も時代も超える映画を作りましたね


素晴らしいです!



2024年2月10日 角川シネマ有楽町




「イニシェリン島の精霊」 

2/15 TOHOシネマズ新宿

マーティン・マクドナー監督、で期待しすぎたかも。いい年をした男性同士の友人関係のゴタゴタと閉塞感と、感情の行き違いがエスカレートしていく様が内戦の暗喩になっているのが解りやすくて、少し安直に思えました。バリー・コーガンが存在感ありましたね


「ザ・メニュー」 

2/16 目黒シネマ

旧作です。面白いけれど残らないかな。アニャ・テイラー・ジョイがキレイ。


「すべてうまくいきますように」 

2/20 ヒューマントラストシネマ有楽町

オゾンの作品は毎回テイストが異なる、とはいえ、これは彼らしくないように思えた。


「エンパイア・オブ・ライト」 

2/23 T・ジョイPRINCE品川

サム・メンデス脚本・監督でこれも期待しすぎた。恋愛要素がなんか嫌な感じでした


「逆転のトライアングル」 

3/1 TOHOシネマズ日比谷

カンヌの常連リューベン・オストルンド!でも普通だったかなあ。自由に映画を撮り続けて欲しい監督です。


「トリとロキタ」 

4/3 ヒューマントラストシネマ有楽町

ダルデンヌ兄弟らしく実直というか誠実というか、遊び心は一切なし。けれど、ロゼッタを観たときの胸がつぶれるような気持ちにはなれませんでした。最後けっこうびっくりした!


「わたしの幸せな結婚」 

4/4 T・ジョイprince品川

銀髪のロン毛が似合う俳優って他にいないのでは。めめカッコイイ!このあいだまで宇宙SIXだったのが嘘みたいな、すごい人気です…


「生きる Living」 

4/13 T・ジョイprince品川

黒澤映画をカズオ・イシグロ脚本でリメイク!観ないわけにはいかないヤツです。旧作も好きでした。黒澤映画の中でも異色な作品ですよね(実は他を観ていない)


「MEN 同じ顔の男たち」 

4/18 早稲田松竹

もっと面白くなりそうなのに。A24の作品ってポスターが素敵で内容はそれを絶対に上回らない。ソファに寝転がってタブレットで観るならいいかも


「セールス・ガールの考現学」 

5/2 ヒューマントラストシネマ渋谷

モンゴルの映画は多分初めて観ました!なかなか拾い物です。モンゴルと日本の違いを感じなくて共感できる。ヒロインがだんだん可愛くなるのが良いんです


「幻滅」 

5/4 恵比寿ガーデンシネマ

原作はバルザックですか!ごめんなさい私これすごく眠かった


「TAR ター」 

524 TOHOシネマズ日比谷

寡作な監督なんですね…作風も独特。ケイト・ブランシェットはもちろん良かったけれど、やはり「ブルー・ジャスミン」の演技が最高だった


「苦い涙」 

6/7 ヒューマントラストシネマ有楽町

フランソワ・オゾン、どことなく初期の作品を思わせるユルさあり。作品製作の苦しみを愚痴る何気ないシーンが、監督の本音に聞こえました。SNSに監視されるキャンセル・カルチャーの世の中に、(良い意味で)くだらない下世話な話を観ると逆に一服の清涼剤のようです!


「岸辺露伴ルーブルへ行く」 

6/21 T・ジョイprince品川

TVシリーズを観ているので。高橋一生が良い!長尾くんは頑張っていたけれど、独特の世界観になじめていない感じがしました。











THE GOOD NURSE
2022年 アメリカ Netflix


監督 トビアス・リンホル厶

脚本 クリスティ・ウィルソン=ケアンズ

原作 チャールズ・グレイバー

主演  ジェシカ・チャステイン(エイミー)、エディ・レッドメイン(チャールズ)、キム・ディケンズ、ノア・エメリッヒ他


脚本が「1917」「ラストナイト・イン・ソーホー」のクリスティ・ウィルソン=ケアンズ!という事で、私的に必見の作品


期待を裏切ることなく、いや〜面白かった。ネトフリの配信作品で、一部劇場で公開のパターンでした。


最初から誰が悪いのかわかっているのに

ちゃんと怖い!恐ろしい!

ホラーではないけれどある意味ホラーより怖かった


病気を隠して働くエイミーの

弱いところに寄り添ってくるというかつけ込んでくる

地味で暗くしかし一見良い人そうなチャールズ


自分は被害者であるかのように語る、家族の話のところどころに

性格のほころびが見え隠れします。


次第にエイミーの家庭に入り込むチャールズ


あ〜ダメダメ!と心の中で叫びつつ


一秒も眠くならず(重要!)最後まで目が話せない、至福の鑑賞時間でした。


結局動機が明かされないことでつまらないという感想も読んだのですが


実際に理不尽な事件は世の中にたくさんあって

それが一番怖い。


チャールズの心が読めないことはむしろ効果的で、うまいエンディングと私は思いました。


クリスティ・ウィルソン=ケアンズ

次作に期待大です



2022年10月26日 キネカ大森



Where the crowdads sing
2022年 アメリカ

監督 オリビア・ニューマン
製作 リース・ウィザースプーン他
原作 ディーリア・オーエンズ 
主演 デイジー・エドガー=ジョーンズ(カイア)、テイラー・ジョン・スミス(テイト)、ハリス・ディキンソン(チェイス)、デビッド・ストラザーン他


アメリカの映画って意外と
時々、こういう良い作品がありますよね(失礼)

湿地、というのがイメージわかないんですが、人の住まない地域という感じ?
「湿地に住む少女」と呼ばれるカイア
家族は次々と家を出て、一人でなんとか生計を立てている

学校へ通わないカイアに読み書きを教えるテイト
テイトが去った後に近づいてくるチェイス

孤独に耐え偏見にさらされるカイアを
助けてくれるのは自然と自然の中で生きる生物たちだった

カイアは人間である以前に動物であり

そんな彼女を無視あるいは排除しようとする周囲の人々もまた動物的である。

私はよく「みにくいアヒルの子」を思い出すのですが
自分たちと違うものを敵かも知れないと警戒し、離れようとするのは動物の自己防衛本能だと思う

違いを認め、尊重し合うのは知的な行為であり、それが出来ない人間は私には猿に近く見える(元大統領)(猿に失礼)

しかしもちろん防衛本能も大切で
私も子供の頃は「知らない人と話をしてはいけません」と言われて育ちました。

カイアは他人からの悪意に耐えつつも
しっかりと自分をもっていた
大切なことはすべて鳥や獣が教えてくれた

ザリガニは鳴かないそうです
ザリガニの鳴くところまで逃げろ、は人の追ってこられないところまで逃げろ、の意味なのでしょう
それは沼地の奥深く、人智の及ばない場所。自然の掟が支配する場所。

最後、もしかして、と新たな疑惑がちらっと頭をよぎりましたが

まさにサバイバーだったカイアの生き方に、涙しました。

ラストに流れる「キャロライナ」は原作を読んで感動したというテイラー・スイフトによるオリジナルソングだそうです

弁護士役のデビッド・ストラザーンは「ノマドランド」のデイブ!
チェイスは「キングスマン ファーストエージェント」のコンラッドですが、特徴のない顔で覚えにくい‥

原作を読みたい気持ちになる映画です。


2022/12/5 TOHOシネマズ日比谷


Silent Night
2021年 イギリス

監督・脚本 カミラ・グリフィン
制作 マシュー・ボーン他
主演 キーラ・ナイトレイ、マシュー・グード、ローマン・グリフィン・デイビス、リリー=ローズ・デッブ 他

これは‥
何とも不思議なクリスマス映画!
クリスマスに観るとテンションが下がること間違いなしです。

郊外に住む家族が友人を招いてクリスマスパーティー
可愛い子供、手作りの料理、人間関係のあれこれ
と思って観ていると、ええっそんな展開!となります。

ネタバレですが

私はラース・フォン・トリアーの「メランコリア」を思い出しました。

監督はなんと、
「ジョジョ・ラビット」のローマン・グリフィン・デイビスくんの母親、さらに弟役は実の弟(双子)。
なんとも言えない家族映画です

ローマンくんの名前は監督の好きなロマン・ポランスキーからつけたそうです。なるほど。

キーラ・ナイトレイが「映画のタイトル当てジェスチャー」で
「ブラック・スワン」!と叫ばれるシーンがちょっと可笑しかった。ナタリー・ポートマンと似ていますよね

映画館を出ると夜は人通りの少ない寂しいお台場。観覧車が姿を消したのも悲しい

修学旅行生(ぐらいしかいない)にこれが東京と思われても、ねぇ
東京駅から直線の地下鉄ができたら、人の流れも変わるんでしょうか
有明はお台場よりさらに人が少なくて、商業施設は怖いほど静かです。穴場か!?

で、
この映画、そんなに素晴らしい出来とは思わないけれど、私は案外嫌いじゃなかった。

マシュー・グードが「ダウントン・アビー」を蹴って(?)こちらに出演していましたよ‥

2022年12月8日 ユナイテッドシネマ アクアシティお台場



2021年 アメリカ
Nightmare Alley

監督 ギレルモ・デル・トロ
主演 ブラッドリー・クーパー、ルーニー・マーラ、ケイト・ブランシェット、トニ・コレット、ウィレム・デフォー、リチャード・ジェンキンス、メアリー・スティーンバージェン、デビッド・ストラザーン 他

サーカスに紛れこんだ男の、束の間の幸せと成功と転落

ギレルモ・デル・トロをそれほど観ていないので
らしい、と言うのは違うかもしれませんが

独特の美的感覚というか悪夢感というか
童話感が楽しい。
ちょっとティム・バートンと共通するものがありますよね

自分もサーカスに紛れこんだような
遊園地の迷路かお化け屋敷を楽しんだような150分間
えっ2時間半!そんなに長く感じなかった

俳優たちが豪華で、それだけでも観る価値ありです。


(4月6日 T・ジョイPRINCE品川)






The Gray Man

2022年 アメリカ


監督 アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ

主演 ライアン・ゴズリング、クリス・エバンス、アナ・デ・アルマス、ビリー・ボブ・ソーントン 他


Netflixの映画で最大の制作費をかけたという話題性と、主演がライアン・ゴズリング。ネトフリは契約していないので、映画館で公開された際に観ました。


ほほぉ世界各地でロケをして、湯水のようにお金をかけている。なるほど、まあ贅沢な作り方なんでしょうが、それで面白くなる訳ではない。


こういうライアン・ゴズリングが見たかった訳でもない。


残念ながら、私にはこの映画の良さがわかりませんでした。

そして、こんなに費用も人手もかかった作品が

スマホやタブレットの小さな画面で視聴される前提という不思議。

Netflix矛盾していないですか



・・・・・・

私がネトフリやWOWOWを契約しない理由は、仕事が忙しくて家で観る時間がないと思っていたけれど、そうではなく


家で集中したくないんだと、最近気がつきました。

猫の世話と最低限の家事、家族との会話で手一杯であとは何もしたくない

完全にオフの状態でいたい


夫が契約しているアマゾンプライムで映画を観ることもありますが、なかなか億劫なんですよね‥


無理にでも外出をして映画館に入ればスイッチがオンになって集中できます

(つまらない場合はすぐ寝る)


そういえば昔

学校や塾ではシャキッとしているけれど、家ではまったく勉強しない子供でした。



(2022.7.28 シネ・リーブル池袋)