9~9番目の奇妙な人形~ | リュウセイグン

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去年から注目していたシェーン・アッカーの『9』を観て参りました。
アカデミー賞の短編部門でノミネートされ、ティム・バートンなどを一目惚れさせたというこの作品。
荒廃した世界でちょっと不気味で可愛い人形たちが、不思議なデザインのクリーチャーと戦いを繰り広げる物語ですが、なにより秀でているのはそのデザインや世界の描き方でしょう。
公開前にPVのような形で本編の一部が公開されていたのですが、それでもう惚れ込むには充分でした。

布で作られた人形と、ガラクタを組み合わせたようなモンスターのバトルは、こりゃ確かにティム・バートンも惚れ込むわな……というレベルで暗い感じながらも厭らしさが無くどこかファンシー。

モンスターハンターみたいなシーンもありましたが、やっぱりあのクリーチャーがグリグリ色んなギミックが動いて襲ってくるのはカタルシスだったなぁ。

他方で、不思議な設定だと思っていたのがストーリーラインとか見ていくと案外普通だったというか、短編をそのままスタンダードに引き延ばした印象。謎というか、この状況で何を為せるのかが分かりにくい部分もあり、このテーマと描き方ならもう少し突っ込んだ話が出来たんじゃないかなぁ……と思ってしまう部分も。
とは言え続編作るのも難しそうだ。

キャラで言えば7がメッチャ美味しいところを攫って行きまくったw
ヒロイン補正なのかもしれないけれども、ぶっちゃけ単純な武勲で言えば9よりも上だった気がする。
短編でも9の役割は頭脳戦だったからな~。

一方ジャイアンこと8はどうも見せ場が少なくてちょっと可哀想だったかも。
磁石でラリってるところとか好きだったのに。翼竜に包丁投げたところが一番輝いているシーンだったとは……。

物語としてはちょっと引っ掛かる部分もあるが、クリエイターとしてはかなり期待出来そうなのでシェーン・アッカー監督の次回作にもご期待下さいという感じですね。