私は、それまで
頑張る。根性。気合い。必死。緊急。我慢。制限。規則。禁止。
と、いかにも過酷そうに聞こえるニュアンスの世界でずっと生きていたので、仙台操体医学院での出会いは
「あぁ、ほっとしててもいいんだぁ。」
という気持ちにさせられました。
仙台操体医学院で初めて出会った今昭宏先生は、今までに出会った中でも全く見たことのない、とても穏やかで全てを受け入れてくれる柔らかな人間性。
操体法の不思議な授業。
さらに反省会という名の飲み会。
これがまた、楽しい。安心する。
何もかもが今までの私の中にはなかった世界ばかりで
「こんなに楽しくていいのか!」と戸惑っていた事を今でも鮮明に覚えています。
当時、10年間勤めていた仕事を辞めたばかりで、将来に不安を抱えながら精神的にも安定しておらず「この先やっていけるのだろうか…」と、一喜一憂していた時期でした。
操体法との出会いもあまりに突然で、入学を決意したのも
退職後わずか10日あまりの出来事でした。
私には、頭の中で描いていた将来のビジョンがありました。
「なんとなく、普通の整体は勉強したくないなぁ。なんかこう、ヘラヘラ笑ってたら治っちまったぜぇ。ほら。笑ってみ。アッハッハ。ほら、治ったべ?みたいなのを勉強したいなぁ。」
と、いつもこんなふざけた妄想をボヤ~っと頭の中で描いていました。(笑)
ゴホン…すみません。
するとその理想をはるかに超えて目の前に現れてきたのが操体法でした。
次から次へと思ったことが現実となって現れていき何が何だか分からなかったのです。
「…なんだ!?この謎の展開は一体なんだ!?」
と、今まで経験した試しがない展開ばかりで更に頭がこんがらがりました。(笑)
しかも、全国から操体法をたくさんの方々が学びに来る。
その場でドンドン身体が治ってゆく。
10秒くらいで施術が終わる。
あっとゆう間に終わる。
かなり呆気に取られました。(*_*)
今先生は
「真剣にやっちゃダメだよ~」
「簡単に治ってつまんないなぁ」
と笑いながら言う。
今までの整体や、治療のイメージとかけ離れ過ぎていて私の頭の中は混乱しました。
これは、ここは…なんだ。
この学校は一体なんなんだ…。
そ、操体法ってなんなんだ…!?
と、更に頭が混乱しました。(笑)
…私は当時、人間関係や職場の環境、自分の将来について深く悩んでいました。
「このままずっと頑張って、我慢して、緊張して生きていくしかないのだろうか。」
「自分のやりたい事もやれずに終わってしまうのだろうか。」
言葉にすると、なんだかどうでもいいような事に聞こえてきますが、当時の私にとっては大問題でした。
周りに相談できるような人もおらず、私の浅はかな甘い考えに答えてくれる人はいませんでした。
入学初日の授業が終わり、反省会が始まりました。
施術ベットにテーブルを置いて、みんなで食事の準備をして。
冷蔵庫を開けると大量のビール。
次々と美味しい手料理を頂き、至福のひと時。
そんなこんなでワイワイしていると
今先生がポツリと言いました。
「みんなね、この世にどうして生まれてきたか知ってる?」
「?」
「あのね、みんなね、遊びにきたんだよ。」
「…えぇ?」
当時、私は今先生がどんな人なのか全く知りませんでした。
何故この先生はこんな話を突然するのかが全く分かりませんでした。
だけど、その時いくら本を読んだり人に聞いても返って来なかったような
ずっと心のどこかで探していたような事を
今先生はたった一言で教えてくれたのです。
「みんなね、遊びにきたんだよ。」
理屈を抜きに思いました。
「あぁ…そうだったのか…」と。
ふと、入学初日を思い出してしまい、全くオチのない独り言のような文章になってしまいました。
みんなね、遊びにきたらしいですよ。