G1クライマックス26最終日の8月14日両国大会。
ここで興味深いカードが、急遽、組まれました。
柴田勝頼、天山広吉、永田裕志、中西学 VS 中嶋勝彦、潮崎豪、マイバッハ谷口、マサ北宮。
新日本プロレス第3世代に、NEVER王座戦戦を共に戦った柴田勝頼を加えたチームに、プロレスリングノアのヘビー級の主力選手たちによる団体対抗戦です。
刺激的な対戦カードに会場は大盛り上がり、ノア勢へは大きなブーイングが飛びました。
試合は中嶋勝彦が、中西学から勝利しました。
しかし試合後、高ぶる気持ちに収まりがつかない柴田勝頼が、潮崎豪や中嶋勝彦に突っ掛かり、大乱闘になりました。
この試合が盛り上がったのは、新日本プロレス側に柴田勝頼がいたからだと思います。
これまでも鈴木軍が上陸する前のプロレスリングノアには、第3世代の永田裕志がGHC王者になったり、小島聡が丸藤正道のGHC王座に挑戦するなどの交流がありました。
しかしそれらは、新日本プロレス本体で使い道のなくなった第3世代の、有効活用という側面しか感じられませんでした。
一方、柴田勝頼は新日本プロレスの最前線で戦う現役NEVER無差別級王者。
柴田勝頼は、石井智宏からベルトを奪い、本間朋晃相手に防衛し、その後は第3世代相手に、「一人世代間抗争」を繰り広げてきました。
その「一人世代間抗争」も一段落し、次なる戦いのテーマが不透明です。
ここにプロレスリングノア勢を相手に、「一人団体抗争」をする可能性は、非常に高いと思います。
団体対抗戦の意地のぶつかり合いは、バチバチのしばき合いというNEVERベルトの特性にもあっていると思います。
新日本プロレスの実質的な傘下団体となったプロレスリングノアで、いつまで鈴木軍との抗争が続くのかわかりませんが、次なる手として、柴田勝頼とのNEVER王座をめぐる抗争があっても不思議ではないと思います。
過去、新日本プロレスと全面対抗戦を行った団体は、いずれも間をおかず消滅するというジンクスがあります。
UWFインターしかり、WARしかり。
新日本プロレスと全面対抗戦を行って、今でも生き残っている例外は、大日本プロレスだけです。
新日本プロレスもそのことは十分に承知しているのか、実質的な傘下団体になったプロレスリングノアとは、部分的な選手の交流に止めています。
その関係も、今年のG1への丸藤正道、中嶋勝彦の出場、スーパーJカップを新日本プロレスとプロレスリングノアで共同開催と、一歩踏み込んだものになってきています。
けれど全面対抗戦は時尚早、最終手段ということでしょう。
しかしプロレスリングノアも、いつまでも鈴木軍との抗争は引き延ばせない、もうノアファンにも飽きられてきていると思います。
その意味からも、両団体の部分的な交流の一環として、柴田勝頼の「一人団体抗争」は、可能性が高いと思います。
プロレスリングノアの大会に柴田勝頼が出場して前哨戦を行い、新日本プロレスのビッグマッチで、プロレスリングノアの選手を迎えてNEVER王座戦を行う。
そうすれば、新日本プロレスにとってはタイトルマッチの新鮮な顔ぶれの挑戦者の出現、プロレスリングノアにとっては所属選手のアピールと、両団体にとってメリットがあると思います。