2012年4月 2007年の実験当時は荒れ畑だった
むー農園造成前の数か月、野人事務所の庭で間引き実験をやった。
家の陰なので昼から半日しか陽はあたらないが風には強い。
幅60cm、長さ6m、約1坪の実験農園に野菜を配置。
木は植えられなかったがその代わりにブロッコリー3苗を植え、野菜はサンチュ、小松菜、ミズナ、ミブナ、ラディッシュなど7種のタネを常識の数倍ほど蒔いた。
生長速度は個々異なり、密生の中から頭を出した野菜を間引きしたが、小さ過ぎず野菜として販売出来る最低サイズが条件。
サンチュや小松菜なら3分の1前後、3株で百円、2株で百円と、スーパー価格を参考に一袋百円の目安で間引きし続けた。
時間をかけて正規サイズにしないほうが時間効率・土地効率が良い。
それに、先日記事にしたが植物・野菜の葉は若葉の方が美味しい。
毎日間引き出来る量ではないので、2日に一回、3日に1回と、野人にしては飽きずに続けた。
ブロッコリーも同じ一袋百円の目安で収穫。
季節によって生長にムラはあるが、収量を年間・1反に換算した。 1反は300坪で実験農園の300倍だが、通路も考慮して250倍。 月平均の生産高を12倍してさらに250倍にすると、年間生産高は500万を超えた。
野人の感想は・・正直
「これは・・まずい・・ 多過ぎる」 だった。
公開しても信用されず世界にはまったく通じない数字だな。
環境条件が良かったのか悪かったのかわからないが、少なくともこの方法なら1反で300万以上は生産出来る。
露地栽培での野菜の平均生産高は年間3回転して30万、肥料農薬など直接経費を引けば半分も残らないと聞いていたので、協生農法の生産高は10倍以上、経費は10分の1以下としたが、種も苗も自分で作れば費用はゼロだ。
換算した価格は売価であり市場価格ではないが、協生農法は周年多種直売が基本、販売に相当費用をかけたとしても6~7割は手元に残る。
スーパーと同じ価格で販売した場合だから、高く売ればこの限りではない。 いずれにせよ生産量も利益率も驚異的だ。
TBSが報道したアフリカの実験農園では現地平均生産高の百倍だったが、土壌構造もなく2か月で野菜で埋め尽くされ1年で果樹の森になった。
草がなく周年種蒔き時、雇用して理論通りに周年収穫販売したのだから、驚異的な生産量にも驚かなかった。
4か月後ほど間引きを続け、生産量が確認出来たので本一冊分の理論をまとめ、およそ1反の本格実験むー農園の造成を始めた。
しかし、耕運機を使わず、¥1200円の三角クワ一本で1反全面に、実験用の各種変形うねを一人で作るのはキツかった。
野菜の出来は、柔らかいうねも硬い通路も大差ない。
10年も経てば高く大きなうねも平地に戻るが、うねが凹むのではなく通路が盛り上がり平面になる。
慣行農法の土は蒸発して減り続けるが、自然農法や協生農法の土は間違いなく増え続ける。 続ければ砂漠に土壌が復活出来るが、砂漠に自然農は通用せず全滅した。
初期耕起して1~2年は生食で味にムラがあり不味かったが、雑味エグ味は完全に消えた。 耕せば表土構造を失い表土上の有機物が土中に入るのだから有機栽培になる。
慣行農法同様に土は減り続け、堆肥などの補充が必要となり悪循環に陥る。
こうして野菜作りの前に土壌作りの必要性が発生した。
どちらも人間に作れるものではないのだが・・
物資が豊富な先進国、世界有数の降雨量、それでも苦しい現状、これらを思考の基点に置けば農業の方向性の判断を誤る。
重要な表土の役割と仕組、植物生育の物理的仕組、どちらも明確にしなければ、文明を切り開いた世界の農業は文明崩壊レベルの負の遺産を残しながら衰退する。
畑の真ん中 野人ベッドとかまど作り
協生農法やってみたい人 クリック