帝王切開当日のこと。



にんげんってしんどかったことは忘れるようにできてるって聞いたことあったけど、ほんまやね。

どんどん記憶が薄れていってる。。。が、しかし!





わたしの今までの人生で




一番つらくて、一番痛くて(術後ね)、一番不思議で、一番感動的な経験でした。




書きとめていたメモを記録しておこうと思います。



☆★☆



前の日の夜0時から絶食で、
朝10時からは絶飲。
夜はおもったよりは寝れた。

朝7時頃起きて、おなかの音聴いてもらって、大部屋から個室へ。
シャワーを浴びて、みどりいろの手術着に着替える。足元は血栓防止のくつしたに。
なんだかそれっぽいかんじ!

10時頃から点滴。

この点滴は、手術中も、手術後数日もいれっぱなしなのでいつもより太い針で痛い。

なんとか腫れずにもった。

そこから家族が来て、まりこもビデオカメラ片手に来てくれて、わいわい話す。



12時。

浣腸するため、ロビーに出てもらう。
看護師さんがおしりに浣腸入れた瞬間に義父義母さんが部屋に到着。
看護師さんに、ギリでケツ丸出し見られるのを阻止してもらう。笑
浣腸、十年以上ぶりにしたけど、
うげええってなったけど、
終わったあとはすっきり爽快\(^o^)/
手術直前とは思えない解放感を味わう。

13時。

麻酔科医の先生の都合で30分遅れるとのこと。
これだけ時間がせまっても、実感はわかない。

家族の今日の夜はうどんすきにしよう、ていう話にお腹減っているのにむっちゃ腹たつわーて思ってたw

13時半。

病室のベッドにねっころがったまんま、ベッドごと手術室へ。
みんなにも笑顔で手をふる余裕あり。
手術室の前までは、まるさんがついてきてくれた。特にパニクることもなく、笑顔でバイバイ。


自動ドアがしまり、ドラマで見るような手術室に少し圧倒されるが、
手術服やマスクはしているけど、いつもの看護師さんや助産師さんがたくさん迎えてくれて安心する。




ここで麻酔科医登場。
マスクしてるからわからんけど、
マスクから上は小泉孝太郎を45歳ぐらいにしたかんじ。さわやか。そしてむっちゃ優しい。



手術前、いちばん恐れていたのが“麻酔が痛い”ということだったが、



『なにかする前は必ず伝えるから安心してね』

という小泉孝太郎に身を委ねることに決める。




背中をエビのように丸めて麻酔開始。
卵巣腫瘍も取るので、麻酔のための麻酔注射+腰椎麻酔+腰からチューブを入れる 硬膜外麻酔を入れてもらう。



これが全く痛くない。
え?終わったの?ていうほど痛くない。

小泉孝太郎に『これで麻酔終わりだよーがんばったねー!』と言われる。

わたしなにもがんばってないよ!( ; ゜Д゜)!?


徐々に足がしびれてきて、だんだん下半身の感覚がなくなってくる。
首から下に青いシートがかけられ、小泉孝太郎の顔以外なにも見えない状態。

『いまもうね、横にぴーって切ってるんだよー』

え!
まじですか!
全くわからないし痛くない。
ひっぱられたり皮膚がつっぱる感じはするけど。
そこから、ほんの数分で、

『もうでるからひっぱられるよー』

といわれ、産声が聞こえて、そのまんま顔のところにちっちゃいヒトを持ってこられた。


想像していたより白くて、ちゃんと人間で、とりあえずほっとした。


『おめでとうございます!元気な男の子ですよー』て言われて、


ドラマみたいだと他人事のように思った。
感動で涙を流す余裕まではなかったけど、とにかくほっとした。
そのあと、助産師さんが、赤子の体をきれいにして、わたしの顔とくっつけてくれた。
こんなんがお腹に入っていたとか不思議すぎる。

赤子が出たあとは、卵巣腫瘍の切除。
いつもの主治医の先生と、もうひとり、卵巣腫瘍や卵巣がんの手術の経験豊富な先生と二人で手術してくれているのだが、
大学の先輩後輩らしく、昔話に花を咲かせている。



小泉孝太郎が『ちょっと眠る?』て言うてくれたので、

即答で寝ます!と答え、点滴のチューブに睡眠薬を入れてもらう。

酸素マスクをつけられ、最初はなかなか眠れなかったものの、

次に小泉孝太郎に肩をぽん、てたたかれたときには手術は終わっていた。




看護師さんに手術台のうえでいろんなものを巻かれ、着せられ、ベッドに乗せられ病室へ向かった。



みんな待ってくれていて、喜んでくれた。

新生児室の前を通ってガラスごしに、保育器にはいった赤子を見せてくれた。





病室に帰り、両足に血栓予防のマッサージ機を取り付けられる。
腰から下の感覚は全くないので自分の意思で動かすこともできないし、

寝返りもうってはいかなくて、麻酔が切れてないので痛くはないが、同じ体勢でいるのがとても辛かった


首もあまり動かしたら頭痛くなるのでだめと言われた。

硬膜外麻酔の影響らしい。

怖いので極力同じ向きでいるようにした。


夜になると少しずつ、足の感覚がもどってくるのがわかった。
足先を動かせるようになったら、エコノミー症候群防止のために、少しずつ動かして!と言われていたので、意識して動かすようにした。



左手は点滴に繋がれているし、おしっこはできないので尿管がつないであるし、

看護師さんにおむつを換えてもらう、というまさに介護状態。



右手だけは自由だったので、少しずつ報告のラインを送る余裕はあった。



夜中になっても、朝方になっても頭が冴えていて全く眠れず、

YouTubeの音楽を一晩中流し、一睡もせず朝を迎えた。