【読書】あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ / 村木厚子... | THE ONE NIGHT STAND~NEVER END TOUR~

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「40歳からの〇〇学 ~いつまでアラフォーと言えるのか?な日々~」から改題。
書評ブログを装いながら、日々のよしなごとを、一話完結で積み重ねていくことを目指しています。

あきらめない  働くあなたに贈る真実のメッセージ / 村木厚子





いわゆる「郵便不正事件」で冤罪で逮捕され、
無罪になった村木厚子さんが書かれた本です。
こういう本の書評をしようとすると、
特捜検察への批判だとか、
大手マスコミ批判だとかをしたくなるのですが、僕の場合。
しかし、それはしません。
別に自重するわけでなく、この本の趣旨、
村木さんが書かれようとしていることがそんなことではないと思うからです。

【目次】
はじめに
私の履歴書
第一章 「あきらめない心」の原点
第二章 仕事の軸が見えてきた
第三章 逮捕、勾留を支えたものは[家族の思い]
第四章 釈放・復職、そして今後のこと
おわりに
[巻末資料]勾留生活164日間を支えた149冊 全リスト

第一章・二章では、村木さんが歩まれた道が書かれています。
村木さんに先行するキャリア官僚の女性はいたと思いますが、
それは本当の「スーパーウーマン」
東大法科に一学年に女性が一ケタしかいないような時期に
そうした道を進まれた人たちです。
それに対し、確かに村木さんはキャリア官僚ですが、
しかし、地方国立大学出身で、東大をはじめとする旧帝大出身ではありません。
そして、当たり前ですが女性です。
明確なローモデルはなく、行き先はぼんやりと見えるけれどそこに行く道はない。
手斧ひとつで林を切り開いて道を作ってきたのだろうな、と思います。

本書の中でも
「普通の人が普通に働けるというお手本になりたかった」
と書かれています。
そうした道を歩むためのさまざまな工夫が書かれています。
それは、自分の仕事に置き換えた場合、
ヒントになることがたくさんあると思います。

ただ、僕がいちばん考えてしまったのは次の一文でした。

■拘留中、500通のお手紙をいただき、70人の人が面会に来てくれました。たった10分の面会のために、東京や島根など遠方からたくさんの方が来てくれました。家族や弁護士から、支援の輪が広がっていて支援する会が立ち上がり、インターネットでも無実を訴えるサイトができていることを知らされました
(p180)

人とのつながりは大切だ、とか
「横つながり」を広げたい、とか、
このブログに書いてきました。

それ自体、ウソを書いているわけではないですが、
さて、もし僕が「逮捕」されてしまったとしたならば、
どれだけの人がこうして支援をしてくれるだろうか?
ということには正直、自信はないなあ、と思ったのです。
こうしたことが可能だったのも、
村木さんが歩まれてきた道、
そこで培った人間関係、
がしっかりしていたからだとしか言いようがありません。

■仕事の人間関係は貸し借りではなく、むしろ、「また一緒に仕事をしたいですね」と思えることが大切。そうやってできた関係は、後々まで必ずつながっていきます。(p185)

僕の元上司は「俺は貸しは作っても借りは作りたくない」というのが口癖でしたが
(そしてそれをたたき込まれた時期がありますが)
これはダメでしょう、ということですね(苦笑)

「人とつながること」この言葉を安易に使っていないだろうか、
それは実際どういうことなのか、
あらためて、いや、深く考えさせられました。

それともうひとつ、
逮捕・起訴という極限状況で心が折れずに乗り越えてきた精神も
見習わなくては、と思います。

逮捕されたという事実はひとつです。
それを嘆いても泣いても拘置所から出ることはできない。
ならば、
「今、できることをやろう」
そして
「好奇心を失わずにいよう」
その気持ちが凄いと思います。

これって
「事実はひとつ 考え方はふたつ」
ですよね。
つまり、普段から僕が和田裕美さんの受け売りで語っている
「陽転思考」
そのものです。
でも、僕は逮捕・監禁されたときに、こう考えられる自信は今はありません。
そして、こうした状況は誰にでも起こり得る時代になっています。
そうであるならば、どんな状況におかれても、そう考えることができるように、
思考パターンを鍛えていかなくては、と思います。

「事実はひとつ 考え方はふたつ 目の前の泥バケツからでもよかったを探そう」
あらためて強く胸に刻みたい、そう思います。

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