花山大吉、こんな面白いテレビはない! | 中杉 弘の徒然日記

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時代劇チャンネルで、『素浪人花山大吉』を放送しています。皆さんにも見ることをお勧めします。主役の花山大吉は近衛十四郎です。焼津の半次兄さんが品川隆二です。

この品川隆二さんは、まだ生きています。82歳で、ずいぶんお元気で作詞などもやっています。本来、2枚目ですが、ここでは徹底的な三枚目を演じています。

この番組は非常に見どころがあるので、よく見てもらいたいと思います。それは、まず浪人が出てきます。花山大吉は浪人です。浪人が二本差しをしていたというのはウソです。本来は二本差しでよい武士なのですが、仕える人がいないので、遠慮して刀は一本差していたのです。それも正確に表現しています。浪人が偉そうに二本差していることはありません。長い刀を一本だけ差して歩いていたのです。

それから股旅者の旅人とは、どのようなものかというと、悪いことをして凶状持ちになり、郷里にいられなくなった人のことをいうのです。郷里にいると捕まってしまうので、全国の親分の元を歩くのです。

親分のところへ行ったときにきるのが仁義です。「さっそくおひかえなすって、ありがとうさんにござんす」と、親分のところを訪ねていったときに、「おひかえなすって、」と言うのは自己紹介をするためにやっているのです。

「●●の生まれで、どこどこの者です。一宿一飯の今夜のお宿を頂戴できないでしょうか」内容はそのようなことです。

任侠の世界はそれなのです。無宿者が来たならば「どうぞ、お泊り下さい」と言って泊めてくれるのです。これを仁義と言っているのです。人の物をかっぱらうとか、脅かすとか、暴力団的なものは、どう考えても仁義ではないのです。

困っている人はお互いに助け合うのですが、旅人さんはだいたい2~3日くらいしかいないのです。次の親分のところへ行く紹介状を親分に書いてもらって、それをもって行くのです。全国ずっと歩くので、3年間くらい1銭もなくても歩けるのです。

旅人さんはそれでお世話になるのですが、条件があって、必ずご飯は一杯しか食べません。「どうぞ、もっとお食べ下さい」と言われても、ご飯は一杯です。一汁一菜しか食べないのです。

布団は何枚でもあるのですが、1枚の布団で寝るのです。1枚の布団を半分に折りたたんで、どんな寒い日でもそれで寝るのです。寝間着は持っていないので、着物を着たままで寝るのです。帯の結び目が後ろにあると痛いので、寝るときはクルッと前に回して、着のみ着のままで寝るのです。これが常識です。

親分さんにお世話になっているときに喧嘩や出入りがあった時には、助っ人として一宿一飯の恩義に報いるというならわしです。その時に親分は小遣いを少しはくれたのです。「旅人さん、お金がなくて大変でしょう。これで遊びでも行ってきなさい」と言って少しはお金をくれたのです。遊びとはもちろん博打です。

この焼津の半次さんは、時代考証がしっかりできているのです。花山大吉は、刀を一本しか差していないし、焼津の半次さんは長脇差をもっているのですが、直刀が多いのです。曲がった刀をもっている一本どっこはウソです。直刀を好んでもっていたのです。

そのようなことが非常に忠実に再現されているので、時代考証的にも面白いと思います。花山大吉の刀の柄(つか)は、普通の人よりも20センチくらい長いのです。それは流儀があり、そのような刀をもっていた人もいたのです。

なんといっても、花山大吉の立ち回りは最高です。こんな立ち回りのできる人は、今はいません。ものすごくキレイです。特に横から担ぎ上げてくる立ち回りは、あまりありませんが、見事な立ち回りです。

品川隆二さんも、「近衛十四郎さんは何が上手いですか?」と聞くと「立ち回りが最高に上手い。今、こんな立ち回りができる人はいない」と言っていました。時代劇スターは見事なものです。花山大吉の立ち回りが一つの見どころです。

喧嘩拳法が焼津の半次さんです。やたら飛び回ったり、蹴っ飛ばしたり、喧嘩拳法ですから、剣術などはやっていないとわかります。実によくできた劇だと思います。ストーリーも毎回面白く、画面もキレイです。最初の頃は白黒です。今はカラーで放送されていて、来年も放送するので、楽しめます。ぜひ機会があれば『素浪人花山大吉』見てください。


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