Aloha!
お袋が他界して1週間が経った。
病院生活が長かっただけに、そしてここ10年くらいは会話すらできなかっただけに、なんだか涙がこみ上げることがなかった。
サラリーマン時代の先輩のお母さんの訃報を聞いたときは、出先の車の中で涙止まらなかった。当然通夜に行った時も実子の先輩は泣いていないのに、泣き崩れた。
私にすると、先輩のお母さんは私のもう一人のお袋だった。
頻繁に会うことはなかったが、会いに行くと常にお袋や私の事を気にかけてくれた。
だから、カミさんと付き合うことになったときは当然、紹介した。
お袋が話せないだけに、先輩のお母さんに認めてもらおうと思った。
先輩のお母さんに褒めてもらうことがすごくうれしかった。
今はもう2人ともいない。
お袋の話に戻る
私はお袋に親孝行なるものをしていない。
ただお袋が亡くなる2日前にカミさんとガキんちょを連れて病院にいったこと
お袋に孫とカミさんをもう一度見せてあげることができたのは、良かったと思う。
あの時はまだ手も温かく握り返すこともできた。
ガキんちょがベッドに近づくと目を見開いて、存在をわかっているかのようだった。
たった2日前にはそんなお袋が
今は冷たくなっている。
告別式の時も涙は出ない。
出棺の時も意外に軽いのに驚きはあったが、泣くことはなかった。
火葬場に行って燃やす直前、最後にと親族が棺桶に集まったとき。
お袋の姉がこういった。
「おばあちゃんが、『人との別れは顔や体の冷たさを感じて、生きている自分とは違うんだということを理解しなさい。』って言っていた。だからみんな、しっかりと美津子の顔や体を触ってお別れを言いなさい」
その時だ
涙が止まらない。
お袋の冷たい頭、顔、手を触り実感する。
お袋と自分の温度差を感じる。
もう温もりはないんだ。
あの温かい笑顔は戻らない。
さよならお袋
ありがとう
お袋
いよいよ最後の瞬間
私は腕に付けていたランヤードのブレスをお袋の手首に添えて
棺を閉じた。
Mahalo nui!