おかんが、
『アンタ、お見舞い
誰にどんだけ貰ったか、
ちゃんと把握してるんやろな?』
と聞いてきた。
当たり前やん
ちゃんと手帳にメモしてまんがな
『お返しは、快気祝いじゃないからな
そやな…
“お礼”にしとき』
『いつお返ししたらええの?』
『満中陰志』
『マンチュウインシ』
『自分で調べてみ』
まんちゅういんし【満中陰志】
《「中陰」は人の死後49日の期間。
「満中陰」は49日目の忌明けの日を迎えること》
仏式で、香典返しのこと。
また、その表書きに記す言葉。
関西で使う。
『要するに、四十九日過ぎたらええでって事
お返しとかは、忘れた頃にすんのがええねん。
ほんで、だいたい半返しな
貰った分の、半分くらいのお返しをせなアカンで
まぁ、だいたいでええけどな(笑)』
おかんは、
○○さんには☆☆
△△さんには★★
と全部決めてくれた。
でも、それを買いに行くのは
うち一人なんだな……
何か、寂しいや…。
おかんからの段取りをメモしながら、
また泣いてもーた(笑)
『急に何泣いてんの』
『だって、これ買いに行く時
うち一人やん?
このメモ見ながら一人で買うんやん?
寂しいやん?
なぁ、おかん
絶対絶対死んでもそばにおってや
ホンマに約束やで』
『アンタがどんなにババァになっても
そばにおったるわ
せやけど、おかんかて一人であの世行くねんで
道に迷わんか、めっちゃ不安やわ。』
そやな…
おかんも、天国着くまで一人か……
あの世で一人より、
デパートで一人の方がマシやな…
うん、大丈夫やで
一人でも、しっかりやるで