当麻曼荼羅九品往生図 | 奈良大好き主婦日記☕

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鎌倉在住
奈良や仏像が好きで子育て終了と共に学び直し大学院博士課程修了、研究員になりました。
テーマは平安後期仏教美術。

明日香村、山の辺の道等万葉集の故地が好きです。
ライブドアにも書いていました(はなこの仏像大好きブログ)http://naranouchi.blog.jp



いきなりなんですが

当麻寺について書きます



 
当麻寺といえば何を連想しますか?


 
蓮花ちゃん?
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きゃわーニコニコラブラブラブラブ

蓮花ちゃん、せんとくんとなにやら今でも仲良し と風の便りに聞きましたラブラブよかったねー

蓮花ちゃんについて



このハト胸の、当麻寺弥勒如来像?
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「ハト胸で悪かったねむかっ
いえいえ、その逆三角形の体つきはなかなか魅力的だけど
…首も短いわね(そこまで言うかい⁉︎)






それとも、ほぼイケメ~ンの四天王像?

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ほぼイケメンのブログ記事はこちらにひひ当麻寺vs秋篠寺、どちらが素敵?





 
それとも二上山?

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でも、今日はそんな話題ではなく


当麻曼荼羅❤︎の話題です(*^ー^)ノ

国宝当麻曼荼羅(貞享本)

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                        (『浄土の美術』)                                                        


当麻曼荼羅は、観無量寿経という浄土教の経典や
善導という偉いお坊さんがそのお経について書いた本をもとに描かれてます


善導
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             (『日本の美術浄土教画』)
「あ~~~~~」発声練習中♪
なんだか指が白魚のようで~若い女の子の手みたい汗


 
もともと当麻寺に伝わる曼荼羅は綴織という織物でした


ウン十年前に当麻寺を訪れた時は
真っ黒で大きな綴織の当麻曼荼羅が懸っていたと記憶します

現在は、 文亀曼荼羅(重文)が懸けられているそうです



この当麻曼荼羅が、中将姫伝説と結びついていきました


中将姫といえば、蓮花ちゃん・・
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うふふらぶ2 ハート
↑この子を想像すると、話がややこしくなるあせる

当麻寺と中将姫伝説については→こちら



 
中将姫伝説と結びついた当麻寺曼荼羅は
何度も転写されたり
 
大きさ(もともとはとても大きい)もサイズダウンしたものが作られたり、

印刷されたり
 
絵解きされたりして

たくさんの人々に

極楽往生の方法が具体的にわかりやすく伝えられていきました

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(『当麻曼陀羅絵説き』)



で、この曼荼羅を詳しく見ると
ストーリーが絵になっていて
とても面白いの♪



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この2枚を照らし合わせると
当麻曼荼羅の構造がよくわかります




でもストーリーの全部を書くのは大変 なので
当麻曼荼羅の下の方にある四角いところ
(↓真ん中に濃い四角があって左右に9個の小部屋のあるところ)
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ここの話に絞ります


9個 の部屋に分かれて書かれているわけは
9種類の極楽往生の様子を表しているからです

 
9種類とは

上品上生、上品中生、上品下生
中品上生、中品中生、中品下生
下品上生、下品中生、下品下生
です

全部で、3×3=9

で、まとめて九品(くぼん)往生


ま、思いっきりあっさり言えば

極楽往生にランクづけが9段階あって、
生前にどんだけいい子にしてたかによってランクが決まり、そのランク順に往生の様子を図解したのが

九品往生図



…上に出てきた、女子みたいな手を持つ?善導オジでさえ
「わしは、下のランクでええわい」
と言ってたくらいですから、一般ピープルなんてトーゼン低いランクだね(^◇^;)

でも大丈夫!
どんなに下位ランクでも
極楽往生できますよ(ノ´▽`)ノ


…って、現代人に言ったって
べつにありがたみないけどねー

では向かって右から見てみるね

 
1.上品上生(じょうぼんじょうしょう)
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一番エライ場合
すわってるお坊さん(超偉い人キラキラ )が亡くなるので、阿弥陀如来や、観音・勢至菩薩や、音楽隊がガチャガチャ迎えに来ました≧(´▽`)≦




拡大すると
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往生するお坊さんに台(蓮台)を捧げる観音、合掌する勢至菩薩が真っ先に来ましたhi*




2.上品中生(じょうぼんちゅうしょう)
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さっきのより、来迎する菩薩の人数が減っちゃったけど、これも偉いお坊さんキラキラ の往生


拡大すると
往生者(お坊さん)と、迎えにくる阿弥陀と菩薩たち
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やっぱり、蓮台を持つ観音菩薩と、合唱する勢至菩薩が先導してますウキウキ


観音、勢至菩薩の後ろに一回り大きい阿弥陀
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阿弥陀さん、顔が丸くて可愛いわねうふふ



3.上品下生(じょうぼんげしょう)
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ありゃ?すだれ垂らして隠れてるー!
でも、お迎えはちゃんと来てるから大丈夫よ冷や汗





4.中品上生(ちゅうぼんじょうしょう)
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はい、シンプルに3人でお迎え
今度は阿弥陀と比丘(僧形)
え、そんだけ?地味じゃない?

でも、よく見ると、画面左上に後ろ向きの3人が!
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これは、帰り来迎といって、往生した人を
連れて極楽に帰るところ…
( ̄▽+ ̄*)よかったね、往生できたのね




5.中品中生(ちゅうぼんちゅうしょう)
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ここから、凡人の来迎となります
しかも、帰り来迎

もう、往生者の姿はないですね




6.中品下生(ちゅうぼんげしょう)
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これも帰り来迎
しかも、エキストラの町人多数出演え゛! (ギャラはでたんだろうか?)



 
7.下品上生(げぼんじょうしょう)
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もう、ここは、罪人もOKドキドキの世界
臨終の時に、懺悔して、合掌して、南無阿弥陀と唱えると三尊(化仏、化観音、化大勢至)が来てくれる

良かったねラブラブ




8.下品中生
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もっと悪いことした人は、いったん地獄の火に焼かれオバケ
(松の木あたりに炎メラメラが見えますよね)
その後、極楽へパンダ


焼かれたくなければ、気をつけて人生送ろうね




9.下品下生
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最悪の、超悪い人の場合よ


 
ちょっと画面が粗くなっちゃうけど
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↑たとえば、仏像の光背に鹿の肉をのせ、登礼盤(説教台)の上で肉を切り、卒塔婆を燃やし魚を焼く
 
こんなヒドイ人でも
最後に南無阿弥陀を唱えると
黄金の蓮花蓮 が現れて極楽往生できるんだって!(ただし、阿弥陀や菩薩たちはいないけどね)
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な~んだ、結局、全員極楽にいけるんじゃないか!ホッ

と、こんなふうに具体的に極楽往生の方法が示されれば、
昔の人たちはずいぶんと気が楽 になったんだろうね
 


当麻寺の練り供養も、このお迎えの様子を
実際に演じたものですね

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                       (『当麻寺』)
極楽往生に対して真剣な時代が長く続いたわけですよね




でもね、同じ場所でこういうのもある
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なにこの2人?



こりゃ、この世の極楽だ
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  (拾い画です)
これは、2009年のころらしいので

せんとくん1才!(°д°;)

今の2人はどうなんでしょう?


…まあ、それは置いておいて
とりあえず、
当麻曼荼羅九品来迎図については

おしまい




みんな わかったはてな
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やっぱり、この子くると
話がややこしくなる気がするわボケーっとした顔 Wハート Wハート Wハート



参考図書
『浄土の美術』(東京美術)
『日本の美術浄土教画』(至文堂)
『当麻寺』(当麻寺)
『当麻曼陀羅絵説き』(同上)