・花山天皇の即位~内劣りの外めでた
永観2年(984)
64代円融天皇が譲位、師貞親王が65代花山天皇として17歳で即位することになりました(即位の時、祖父伊尹はすでに亡くなっていました)
また、懐仁親王の立太子も決定しました
譲位と立太子の日時は、安倍晴明の占いにより、8月16日に決まりました
↓今回は寝顔で出演の懐仁親王(兼家の血筋)、のち一条天皇
↓新たに天皇となることに決まった師貞親王は、円融天皇の「左大臣」=源雅信も、「右大臣」=藤原兼家も信用していません
↓信用しているのは、次の4人だけ
①外舅藤原義懐(上の系図参照)と②乳母子藤原惟成
↓③まひろのお父さん・藤原為時
↓④ロバート秋山の藤原実資(小野宮流)
実資は、前の円融天皇の蔵人頭でしたが、引き続き蔵人頭になるよう花山天皇から要請されると、「辞退いたします」 と答えました
↓義懐がロバートに二人で蔵人頭をやろうと勧めるけど、
ロバートは「いやだ」と断る(花山天皇の時も実資は蔵人頭となってますので、ドラマでも結局引き受けることになるのでしょうが)
↓ロバート実資の固辞にキレる師貞親王(コワい)
↓キレ過ぎて、義懐の「かぶり物」を奪う(なんで?)
↓それを見て、びっくりぽんの為時
義懐と惟成のかぶり物が奪われた!(もはや、コント)
これ、面白いシーンでした
師貞親王(花山天皇)は、変人のように描かれますが、
天皇として文化事業を主催するなど、文化人としては一流だったそうです
その代わり、政治については貴族や官僚に任せていたため、
内劣りの外めでた
などと呼ばれていたらしい
それが、生きる術だったのかもしれません(有間皇子を連想してしまった)
そんなヤツでも将来の天皇ならば、
「自分の娘をヨメにいかせようかな?」とちょっと考えたのがこの人です…
左大臣源雅信「倫子 次なる帝に入内する気はないか?」
倫子「あの 女子好きで名高い東宮様でございましょう?」
お父さん、我に返り
↓「ああ すまぬ…」
↓実際に入内したのは、忯子(よしこ)でした(上の系図参照)
↓おそらく視聴者全員が「え、ええーーっ」となったシーン
奥さんの手首を縛ってますが、
これ、テレビ的にOKなんですか?
こんな性癖を記した史料があるのかしら?(制作側のただの趣味だったりして…)
花山天皇、ヘンタイ丸出しだけど、
実は忯子にぞっこんなのです
何しろ、奥さんを亡くして出家しちゃうくらいなんだから(寛和の変)
(今回は、寛和の変まで進みませんでしたね)
花山天皇の時代の政治は、
「三つ巴の争い」だったと言われています
頼忠vs義懐vs兼家の争いです
即位の時、祖父伊尹はすでに亡く、
先代に続き藤原頼忠(小野宮流)が関白でした
しかし、
実権は叔父源義懐と乳母子藤原惟成が握っていました(先ほどのコントの二人)
荘園整理令の発布、貨幣流通の活性化、破銭法、官人の綱紀粛正、受領の兼官停止など、革新的な政策を行いました
↓義懐と惟成が政策を実行
↓(対立する)関白頼忠は懐疑的
↓右大臣兼家も懐疑的
話し合ってる(なんだかかわいい)
三つ巴の争いに加え、
花山天皇自身も女癖が悪く、前途多難
実際に2年で次の天皇に交代となりました
・イケメン4人を指す「藤原のF4」と「寛弘の四納言」
②藤原行成(渡辺大知)
③藤原斉信(はんにゃ金田)
④藤原公任(町田啓太)
↓とりわけイケメンの藤原公任(目の保養)
この「藤原のF4」ですが、実はNHK発の呼び名みたいですよ
↓「大河ドラマ 光る君へ THE BOOK」にばっちり出てきました(驚いたよ)
アマゾンのリンクを下に貼りますので、欲しい方はどうぞ(写真が多い本ですので、楽しいかも)
そしてこの「F4」の語源は、おそらくあの「花より団子」
「嵐」が国民的アイドルに成長するきっかけになったTBSドラマです
井上真央演ずる主人公牧野つくしを取り囲むイケメン4人組がF4
F4を構成したのは、道明寺司(松潤)、花沢類(小栗旬)、西門総二郎(松田翔太)、美作あきら(阿部力)の4人
そうです
今回は、F4という名称を大河がパクった感じですが、
松潤は「どうする家康」の徳川家康
小栗旬は「鎌倉殿の13人」の北条義時(等々)
松田翔太は「平清盛」の後白河法皇(等)
と、その後、大河ドラマに出演(主演)して大活躍しました
なんだか、F4メンバーと大河ドラマとの間に目に見えないご縁があるようです(知らんけど)
……えっと、なんだかひどく脱線した気がしますが…
そうでした!
私が言いたかったのは、
巷で流行っているのは「藤原のF4」とは別に、
実際には「寛弘の四納言(しなごん)」が道長の時代には活躍したということです
この寛弘の四納言のメンバーは、
❶源俊賢(儀式に明るい)
❷藤原行成(故実に精通している、真面目)、三蹟
❸藤原斉信(漢詩や和歌に詳しい)
❹藤原公任(小野宮直系、当代随一の文化人、有職故実に通じる)、拾遺和歌集、和漢朗詠集
という4人です
皆さん、気づきましたか?
「藤原のF4」との違いは、❶源俊賢が①藤原道長に代わっているだけで、
②③④の3人は同じなのです(ややこしいわ)
寛弘の四納言は、昔から言われている有能な公卿の4人です
そこに、F4なんていう(松潤の過去のドラマを連想させる)ワードを突っ込んできて、イケメン4人として持ち上げるのは、私は大歓迎ですが(大歓迎なのかい!)、
史実警察が出動してしまいそうでヒヤヒヤしなくもありません
なんだかまた長くなってしまいましたが、最後に華やかな五節の舞のことを書こうと思います
↓五節の舞に出演することを依頼されるまひろ
ヘンタイ花山天皇が、倫子に目をつけることを恐れた両親が、
倫子の代わりにまひろに五節の舞を舞うことを頼んだのでした
五節の舞の夜
↓ヘンタイ花山天皇
義懐着席
為時着席
↓舞台の様子を上から見ると、列席の貴族を含んで、幾何学的で美しい構図です
この画面の下方に花山天皇の座る高御座があると思われます
俯瞰した画像と照らし合わせると
↓関白藤原頼忠、左大臣源雅信、右大臣藤原兼家は、
花山天皇から見て左側の前列に座っていると思われます(俯瞰図で、天皇から見て左側は全員黒い服)
他方、天皇から見て右側の一番前の列の手前から二人目が藤原道隆(黒い服)、
二列目の手前から道兼、道長(赤い服)
やはり天皇から見て右側の一番前の列に藤原公任(黒い服)、
その後ろに藤原斉信(赤い服)
緑の服のロバート実資さんも座りました(かわいい)
緑の服の宣孝さんもご着席
道長、ここではまだ起きていますが
あ、寝た
あでやかな女官たち入場
踊る
踊るまひろの視線の先に
眠る道長
を、起こすミチカネ
!!
このへんで、第一話の伏線を回収し始めていて、ゾクゾクします
「なぜなの?」という心の叫びが切ないね
踊りが終わっての女子トーク
確認するまひろ
三郎の正体が、母の仇ミチカネの弟だと知り、
気を失うまひろ
いなくなった…
あらま、またもや、
サクッと書くつもりが長くなってしまいました…