「光る君へ」第四回ー花山天皇と藤原の「F4」と五節の舞 | 奈良大好き主婦日記☕

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鎌倉在住
奈良や仏像が好きで子育て終了と共に学び直し大学院博士課程修了、研究員になりました。
テーマは平安後期仏教美術。

明日香村、山の辺の道等万葉集の故地が好きです。
ライブドアにも書いていました(はなこの仏像大好きブログ)http://naranouchi.blog.jp

 
回を追うごとに伏線が効いてきて、目が離せない「光る君へ」ですが、
私は最近、イケメン4人を表す藤原の「F4」なることばが流行っていること、
そして、このことばの出どころがどうやらNHKなのでは?ということに気づきました(◎_◎;)
その話も含めて、今回も、思いついたことを書いてみたいと思います
 
今回は(自分の頭の中の整理もかねて)、
花山天皇とその周辺の人たちを含めた系図を作りました
(きょうだい関係は必ずしも全員ではなく、また年齢順でもありません)
転載禁です

image

 

 

 

・花山天皇の即位~内劣りの外めでた

永観2年(984)

64代円融天皇が譲位、師貞親王が65代花山天皇として17歳で即位することになりました(即位の時、祖父伊尹はすでに亡くなっていました)

 

また、懐仁親王の立太子も決定しました

 

譲位と立太子の日時は、安倍晴明の占いにより、8月16日に決まりました

 

↓今回は寝顔で出演の懐仁親王(兼家の血筋)、のち一条天皇

 

 

↓新たに天皇となることに決まった師貞親王は、円融天皇の「左大臣」=源雅信も、「右大臣」=藤原兼家も信用していません

 

↓信用しているのは、次の4人だけ

①外舅藤原義懐(上の系図参照)と②乳母子藤原惟成

 

↓③まひろのお父さん・藤原為時

 

↓④ロバート秋山の藤原実資(小野宮流)

実資は、前の円融天皇の蔵人頭でしたが、引き続き蔵人頭になるよう花山天皇から要請されると、「辞退いたします」 と答えました

 

↓義懐がロバートに二人で蔵人頭をやろうと勧めるけど、

ロバートは「いやだ」と断る(花山天皇の時も実資は蔵人頭となってますので、ドラマでも結局引き受けることになるのでしょうが)

 

↓ロバート実資の固辞にキレる師貞親王(コワい)

 

↓キレ過ぎて、義懐の「かぶり物」を奪う(なんで?)

 

↓それを見て、びっくりぽんの為時

 

義懐と惟成のかぶり物が奪われた!(もはや、コント)

 

これ、面白いシーンでした笑い泣き

 

師貞親王(花山天皇)は、変人のように描かれますが、

天皇として文化事業を主催するなど、文化人としては一流だったそうです

その代わり、政治については貴族や官僚に任せていたため、

内劣りの外めでた

などと呼ばれていたらしい

それが、生きる術だったのかもしれません(有間皇子を連想してしまった)

 

 

そんなヤツでも将来の天皇ならば、

「自分の娘をヨメにいかせようかな?」とちょっと考えたのがこの人です…

左大臣源雅信「倫子 次なる帝に入内する気はないか?」

 

倫子「あの 女子好きで名高い東宮様でございましょう?」

 

お父さん、我に返り

↓「ああ すまぬ…」

 
 
そんなこんなで、
師貞親王が即位して67代花山天皇となりました

 

 

↓実際に入内したのは、忯子(よしこ)でした(上の系図参照)

 

 

↓おそらく視聴者全員が「え、ええーーっあせる」となったシーン

奥さんの手首を縛ってますが、

これ、テレビ的にOKなんですか?

こんな性癖を記した史料があるのかしら?(制作側のただの趣味だったりして…)

花山天皇、ヘンタイ丸出しだけど、

実は忯子にぞっこんラブラブなのです

 

何しろ、奥さんを亡くして出家しちゃうくらいなんだから(寛和の変)

(今回は、寛和の変まで進みませんでしたね)

 

 

花山天皇の時代の政治は、

「三つ巴の争い」だったと言われています

頼忠vs義懐vs兼家の争いです

 

即位の時、祖父伊尹はすでに亡く、

先代に続き藤原頼忠(小野宮流)が関白でした

しかし、

実権は叔父源義懐と乳母子藤原惟成が握っていました(先ほどのコントの二人)

 

荘園整理令の発布、貨幣流通の活性化、破銭法、官人の綱紀粛正、受領の兼官停止など、革新的な政策を行いました

 

↓義懐と惟成が政策を実行

 

↓花山天皇がモノの値段を決めています

 

 

↓(対立する)関白頼忠は懐疑的

 

↓右大臣兼家も懐疑的

 

話し合ってる(なんだかかわいい)

 

↓頼忠に抗議する兼家の顔が面白い

 

三つ巴の争いに加え、

花山天皇自身も女癖が悪く、前途多難あしあと

実際に2年で次の天皇に交代となりました

 

 

 

・イケメン4人を指す「藤原のF4」寛弘の四納言」

前回から全国の視聴者(主に女子)を沸騰させた藤原イケメン4人組(道長、行成、斉信、公任)が、再度登場しました飛び出すハート
 
この4人、いつの間にか「藤原のF4」と呼ばれているらしいのです(なんだかミーハーな展開だな)
 
藤原のF4を構成するメンバーは
藤原道長(柄本佑)

藤原行成(渡辺大知)

藤原斉信(はんにゃ金田)

藤原公任(町田啓太)

です
 
↓藤原のF4の眼福シーン

 

 

↓とりわけイケメンの藤原公任キラキラ(目の保養)

 
 

この「藤原のF4」ですが、実はNHK発の呼び名みたいですよ

↓「大河ドラマ 光る君へ THE BOOK」にばっちり出てきました(驚いたよ)

アマゾンのリンクを下に貼りますので、欲しい方はどうぞ(写真が多い本ですので、楽しいかも)

 

 

そしてこの「F4」の語源は、おそらくあの「花より団子」

 

「嵐」が国民的アイドルに成長するきっかけになったTBSドラマです

 

井上真央演ずる主人公牧野つくしを取り囲むイケメン4人組がF4

F4を構成したのは、道明寺司(松潤)、花沢類(小栗旬)、西門総二郎(松田翔太)、美作あきら(阿部力)の4人

 

そうです

今回は、F4という名称を大河がパクった感じですが、

松潤は「どうする家康」の徳川家康

小栗旬は「鎌倉殿の13人」の北条義時(等々)

松田翔太は「平清盛」の後白河法皇(等)

と、その後、大河ドラマに出演(主演)して大活躍しました

なんだか、F4メンバーと大河ドラマとの間に目に見えないご縁があるようです(知らんけど)

 

……えっと、なんだかひどく脱線した気がしますが…ショック

 

ひらめき電球ひらめき電球ひらめき電球

 

そうでした!

 

私が言いたかったのは、

巷で流行っているのは「藤原のF4」とは別に、

 

実際には「寛弘の四納言(しなごん)」が道長の時代には活躍したということです

 

この寛弘の四納言のメンバーは、

源俊賢(儀式に明るい)

藤原行成(故実に精通している、真面目)、三蹟

藤原斉信(漢詩や和歌に詳しい)

藤原公任(小野宮直系、当代随一の文化人、有職故実に通じる)、拾遺和歌集、和漢朗詠集

 

という4人です

 

皆さん、気づきましたか?

「藤原のF4」との違いは、❶源俊賢が①藤原道長に代わっているだけで、

②③④の3人は同じなのです(ややこしいわ)

 

寛弘の四納言は、昔から言われている有能な公卿の4人です

そこに、F4なんていう(松潤の過去のドラマを連想させる)ワードを突っ込んできて、イケメン4人として持ち上げるのは、私は大歓迎ですが(大歓迎なのかい!)、

史実警察が出動してしまいそうでヒヤヒヤしなくもありません

 

 

・五節の舞音符

なんだかまた長くなってしまいましたが、最後に華やかな五節の舞のことを書こうと思います

 

↓五節の舞に出演することを依頼されるまひろ

ヘンタイ花山天皇が、倫子に目をつけることを恐れた両親が、

倫子の代わりにまひろに五節の舞を舞うことを頼んだのでした

 

 

五節の舞の夜

 

ヘンタイ花山天皇

 

義懐着席

 

為時着席

 

 

↓舞台の様子を上から見ると、列席の貴族を含んで、幾何学的で美しい構図です

この画面の下方に花山天皇の座る高御座があると思われます

 

俯瞰した画像と照らし合わせると

関白藤原頼忠、左大臣源雅信、右大臣藤原兼家は、

花山天皇から見て左側の前列に座っていると思われます(俯瞰図で、天皇から見て左側は全員黒い服)

 

 

他方、天皇から見て右側の一番前の列の手前から二人目が藤原道隆(黒い服)、

二列目の手前から道兼、道長(赤い服)

 

やはり天皇から見て右側の一番前の列に藤原公任(黒い服)、

その後ろに藤原斉信(赤い服)

 

緑の服ロバート実資さんも座りました(かわいい)

 

緑の服宣孝さんもご着席

 

 

道長、ここではまだ起きていますが

 

あ、寝た大あくび

 

あでやかな女官たち入場

 

 

美しい頭飾と鳳凰の絵の入った扇(ひな人形みたい)

 

踊る

 

踊るまひろの視線の先に

 

眠る道長

 

を、起こすミチカネびっくりマーク

 

!!

 

 

このへんで、第一話の伏線を回収し始めていて、ゾクゾクします

 

 

「なぜなの?」という心の叫びが切ないね

 

 

踊りが終わっての女子トーク

 

 

確認するまひろ

 

 

三郎の正体が、母の仇ミチカネの弟だと知り、

 

気を失うまひろ

 

いなくなった…

 

あらま、またもや、

サクッと書くつもりが長くなってしまいました…ねー