「氷原の旗」
凍りつく地に咲く色は、
儚げなるも鮮やかに、弱々しさにも似ぬ黄色、
吹かれながら酔わぬ風、誰が見ようが見ぬまいが、
唯一として凜となす、
渇く間もなく束の間を、
酔い醒め琥珀、視界は虚ろ、
無言であれど健気さはなく、
敢えての時季を探して雪を、
夜の月の冴えた氷の青白き、
遠き真白を待つ種を、低く地を見た、
油さえ乗る紛いの虹に垂れた赤、
そのなか月は映っているか、
柔らかなれど絶え絶えしきは弱みに衝いて、
頭を垂れて季節に追われ、
氷野に咲きし琥珀は波紋、
映せし姿は我が身だろうか、
虚ろに漂う群れ群れを、
どこか横目に白ける点、
月の水辺に映るは我か、
荒涼たる氷原で、
血滲む柄を抱き旗を振る、
彼らを誰が笑えるだろう、
最期の日まで吠えやまぬ、
彼らを誰が笑えるだろう、
【厳選(?)】2年前の今頃の記事
→キッズ
→夜明け前のオルゴール
→☆“love and life letter”
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
【PR】
流星ツアー (表題作を含む短編小説集) / 田中 ビリー
¥1,365
Amazon.co.jp
あの人への想いに綴るうた/渡邉 裕美
¥1,470
Amazon.co.jp
Copyright (C) 2014 copyrights.billy tanaka All Rights Reserved.