「無邪気の楽園」
禁猟区に生きる花、鉄でできたサボテンみたいな、
血を吸う刃と同じ花弁、
そこからずっと有刺鉄線、見ても霞む地平まで、
それでも騒がしいほどの光が溢れる、そこに群れる虫に似た者、
彼らは楽園なんて描くだろうか、
片方だけ残された、エスパドリーユに花飾り、
虹の色味を吸い込んだ、艶やかにも柔らかい、
湖から海へと続く川、
なにを探して歩いてきたか、或いはあてさえなかったか、
いまになればどちらも同じみたいに見える、
楽園は、無邪気のなかにだけある、
いまの僕にはそれを描くことなどない、
禁猟区には幻の鹿を追う、ハンターたちがたむろする、
幻だと知りながら、黄金の鹿を追っている、
無邪気さなど遥か過去に追いやった、
楽園など何処にもないと失笑で、
夢を見るのは夜だけだった、
明らかに、極めてしまうと清々しいことだった、
STAR ENTRYS
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