8月9日、長崎原爆記念日
由布院に来て10日経ちました。
アートホールの中でお客様をお迎えしつつ絵を描いていると、
不意にサイレンが鳴りました。
11時過ぎ。
『ああ、黙祷のサイレンか。』
アートホールにいらした方はそれぞれに頭を垂れ手を合わせて1分間の黙祷をしました。
私が子どもの頃、宮崎市内や、叔母の家のある延岡でもこの時間は一斉にサイレンが鳴っていました。
帰省した時もこの音を聞くと目を閉じていました。
福岡に住むようになってからは、市内でサイレンが鳴ることはありませんでした。
6日も鳴ったはずなのに気がつかなかったのかな。
由布院では、前日の台風の影響でお昼過ぎまで雨が降っていました。
アートホールは待合室なので、絵に興味がある方もない方もいろいろな方が来られます。
ひとりのお客様が、
『せっかく旅行に来たのに雨で散々だったけど、最後にいいものを見れて気持ちが晴れました。』
と言ってくださいました。
『駅でこんな作品が見られるなんて、やっぱり由布院ねぇ。』
と言われる方もいらっしゃいました。
夜は、ゆふいん文化・記録映画祭があり、
1975年の『田園まさに荒れなんとす』を観ました。
その後、
観光地・由布院を切り拓いた中谷健太郎さん、溝口薫平さん、志手康二さんの奥様淑子さんのレジェンドのトーク。
示唆に富んだ言葉と、80を超えてもその熱と新しさを失わない感覚に敬服。
由布院の人達は自分達で作った由布院という街が大好きで、そのリーダーだったこの3人が大好きなのが、とても強く伝わってきました。
川沿いを歩きながら、
『ここはいい意味で発展しないことを選んだ街なんだな。』と感じたことを思いました。
10日間由布院で見てきたものがいろいろつながったように思います。
あっという間に3分の1。
まだまだ交流と由布院だから描けるもの制作をしていきたいと思います。
川村愛個展
『The Encounter 旅•出逢い•思い出』
2021年8月1日〜31日
9:00〜18:00(最終日16:00まで)
由布院駅アートホール
〒879-5114 大分県由布市湯布院町川北8−2