由布院20日め。 | 日本画いろは 川村愛

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福岡在住の日本画家 川村 愛 の【 ことのは帳 】です。
絵のこと。日々のこと。綴ってまいります。

目覚めに見上げた窓から
久しぶりの青空が見えて
居ても立ってもいられず
朝ごはんもコーヒーもなしにして
宿の外に出ました。

とりあえず歩き出そう。

スケッチブックとカメラを持っていざ出発。


由布院に来て20日め。

でも9日ぶり(感覚的には2週間ぶり)の晴れ。


これまでまともに取材できていない。


6月に由布岳が映っていた田んぼは稲穂が実っています。


宇奈岐日女神社にやっとご挨拶できました。

境内は水が豊かでしっとりして苔蒸しています。
いつ来ても不思議な雰囲気を感じます。

するとお社の前にチカっと光る虫が飛んできました。

ハンミョウです。
初めて見た。鮮やか。

そして賽銭箱の中にアマガエル。

なんかいいスタートだな。

気を良くして、
歩いて狭霧台を目指してみることにしました。
ルート検索すると、約30分…?

別荘地を抜けて、
地元の生活道路をとぼとぼ歩いていきます。


すると、

横をヒラッと青いものが…。


『まさか!?

 オオムラサキ!?』

『ほわぁぁ〜😳』ってほんとに変な声が出てしまった。
本物を見れるなんて、なんて運がいい!
宇奈岐日女さまにお詣りしたからかな?
歓迎してもらえたのかな。
ありがたやありがたや🙏

興奮状態で
やまなみハイウェイに差し掛かりました。

しかし、歩道がない。
たまにトラックや自衛隊の大きな車とビビりながらすれ違い、
崖っぷちのガードレールにヒヤヒヤして、
時に緑の丘を、その奥の由布岳山頂を仰ぎ見て、
時に草原と由布院の街を見下ろして、
とても見晴らしのいいところを歩きます。

草原に野生の鹿

カメラを向けると止まっちゃう。
石になりきってるみたい。

ゆっくりゆっくり登って狭霧台到着。

あそこから(写真真ん中あたりの川のそば、ってことは一番低いところ)登ってきたのよねぇ。

すでに出発から2時間近く経っています。



さて、このまま下るのもなんだから、

由布岳登山口まで行って別府か由布院どっちか行きのバスに乗ろう。

由布岳。
草の緑の白緑とも黄緑とも言えない色が
やわらかく光っています。

登りたいのは山々だけど、
普通のスニーカーだし、
雨の後は道がどうなってるかわからないから、
今日はさわりだけに。


さて、登山口から
先に来た別府行きのバスに乗りこみ、
別府駅まで行くかと思いきや、

『鶴見岳はロープウェイで登れるやん』

当然、子どもよりも前に立つ。

とっても小さい頃乗ったことがある気がするんだよな…。


鶴見岳山頂より由布岳。

裏側の大崩と登山口の辺りが見える。


別府湾は雲に隠れてなかなか見えず。
山頂にはキアゲハやトンボが飛び交っていました。


しばらくしてロープウェイに戻ろうと森の中を下っていると、

ミヤマカラスが優雅に目の前に!



そして今度は『私もいるのよ』と言わんばかりにアサギマダラが水色とも緑とも言えない翅をひらつかせて去っていきました。

こんなに続けて普段見ない蝶を見るなんて!
高揚しています。

『蝶を描け』ということなのかな。


下りのロープウェイはほぼ雲の中。

たまに見える志高湖の周りのメガソーラーが痛々しい。


さて、もうお昼ごはんの時間はとっくに過ぎた。

由布院へ帰ろう。


でもすんなり帰らない。

30分後に次のバスが来るのを確認して、猪瀬戸湿原で途中下車。

湿原なだけに、あちこちに水の流れた痕があり、見えない沢の音がして湿度が高く、深入りは危険。

春にサクラソウを見たところは草に覆われていました。



通り過ぎそうになったバスを止めて

朝来た道を戻りました。



今日見たものは、緑の輝き。


そして命の煌めき。



私が今ここで、描くべきもの。


由布院の夏休み、残り10日の宿題。



***
       



川村愛個展

『The Encounter 旅•出逢い•思い出』 

  2021年8月1日〜31日

9:00〜18:00(最終日16:00まで)

由布院駅アートホール

〒879-5114 大分県由布市湯布院町川北8−2