第九軍団のワシ(ローズマリサトクリフ)


1954年に出版。子ども向けの歴史小説の元祖(史実からの創作)とのこと。面白かった!


以前読んだ太陽の戦士ではイギリスの原住民のその地でいきいきと生きる様子が描かれていたけど、、、


今作はローマ軍(侵略側)の軍人(マーカス)が主役。過去に霧の中に消えた父と第九軍団の象徴「ワシ」を原住民から取り返すはなし。


自分は軍人として生きてゆくのだと輝かしい未来を描いてたマーカス君。戦争で大怪我をし軍人として生きる未来を絶たれる。そうして無謀ともおもえるような困難な旅に出ることになるけどこれまたぼろっぼろ。さらにワシをめぐる真実もまた絶望的なもので、、、

でも、そうして困難を乗り越えた先に、、、

っというかんじ。




奴隷制度当たり前の時代の身分を超えた友情、固い絆。旅を終えた先には、思い描いていた未来とは違った新たな生活。小さな幸せ。幸せとら何か。



身体がおもうように動かない様子や絶望的な描写は、とにかくリアルで痛々しい。病気で肢体不自由だったサトクリフさんだからこそここまで描けるのだろうなあ。。。

そんな作者からの愛と希望のメッセージ的な一冊。これは歴史小説+児童文学と侮れない。