理学療法は、人を治せるか。

関節を扱ったり、筋膜を扱ったり、筋を扱ったり、感覚を扱ったり…

機能面を扱うだけで、人は治るのか?

ある病院に、運動器で3年間バリバリ働いていた若手セラピストがやってきた。

以前の運動器の病院では、患者さんからの信頼も厚く、しっかりと症状を改善させ、期限内に退院させることができていた。

セラピスト本人も、結果がきちんと出ており、患者さんからも、たくさんのお礼の言葉をいただいていたので自分が治してるという気持ちが強かった。

しかし…

次に勤務した病院では、脳血管疾患の方が多い維持期の病棟に配属。

ここで、現実を目の当たりにする。

何も出来ない…。

なぜか…。

運動器疾患の患者さんは、
コミュニケーションがしっかりとれる。
自分で自主トレも出来る。
退院という目標がある。

今回の配属先の患者さんは、
コミュニケーションがほぼとれない。
自発的に動けない。
目標がわからない。

全てが真逆な患者さん。

ここで、そのセラピストは自覚しました。

結局、患者さんに助けられていたのだと。

患者さんが痛いところを教えてくれたから…

患者さんが自主トレをきちんとしてくれたから…

患者さんが退院という目標にむかって努力してくれたから…

全ては患者さん主体だった。

これは、理学療法士が治してるわけではない。

患者さんが自分で治る為に、理学療法士の力を1日の中で20分だけ借りていただけ。

それに気がついたそのセラピストは、またゼロから学び直し。

どれだけ自分が未熟で患者さんに助けられていたかを痛感したようでした。

そんな話が私の身近なところでありました。

それを考えると、もっと慎重に、もっと繊細に、もっと多くの情報を患者さんから収集する必要がある。

うまく喋れない患者さん。

目が見えない患者さん。

耳が聞こえない患者さん。

状況を理解できない患者さん。

そんな方々とコミュニケーションがとれないだけで、何も出来なくなるセラピストは、普段からの情報収集が足りていないのではないでしょうか?

以前で、
PT=治すこと
rehabilitation=治らない方に行うこと

というご指摘をいただきましたが、

患者さんに対して治りますとか治りませんという表現を私はしたことがないので正直よくわかりません。

治る人と治らない人との境目はなんなんでしょう?

私達理学療法士は診断できません。

だからこそ、患者さんが諦めないという気持ちを応援できる。

あなたは治らないから理学療法はしません。

それは違うと思います。

例え進行性の疾患であっても、原因不明の疾患はまだまだ多いです。

原因不明だからこそ、奇跡がおこる。

私達理学療法士が、最初から治らないと諦めてしまう。

どんなことがあってもそれは、患者さんに対して失礼だと思う。

だから、どんな患者さんに対しても私は治りますとも治りませんとも言いません。

「治る」の定義がその人その人で違います。

だから、そこを私は聞いていきます。

聞いていくと、意外と今の自分でも出来ることが多いということに気がつく方がたくさんいました。

「治る」ことが全てではない。

だからリハビリテーションは素晴らしい。

私の結論。

PT「だけ」では「人」を治せない。

だから、
rehabilitationをもっと理学療法士は考えていくことが大切なのではないでしょうか?

〜〜2015年8月2日西山のつぶやきから改変〜〜

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