理学療法を標準化する。

いやいや、患者さんは一人一人違うから標準化なんて無理だよ。

私も以前はそう考えていた。

でもそれはただの諦めだと思うようになった。

そこで、理学療法の標準化について考えてみた。

標準化といっても、臨床で必要最低限の知識や技術を明確にしていこうというだけ。

その最低ラインに達していない人が、身体を触るなんてことがあってはならないと思うから。

では、いきます。

多くの療法士は、アライメントを診ているのではないでしょうか?

だから、アライメントを診るのはほぼ必須だということは皆さんも容易に理解できると思います。

標準化を考える上で必須項目にアライメントは入る。

では、そのアライメントから何を読み取ってますか?

そこは、人それぞれ違うのが現状。

さぁ、早速問題が出てきました。

アライメントで何を診てますか?

そもそもアライメントとは何なのかを理解していない人も多い。

きちんと理解して言葉は使いましょうね。

アライメントとは、
「ある対象の基準となる位置を、相手のそれに正しく合わせること」

簡単にいうと、基準があって、そこに対して正しく合わせることを言う。

つまり、大腿骨に対して脛骨が外旋しているのを正しく合わせること。

でも多くの療法士が言っているアライメントは、「合わせること」まで入ってなくて、その位置関係がどうなってるかを診るだけですよね。

だから、アライメントという言葉ではなくて、位置関係を診るということで話をすすめていきます。

骨盤後傾位で大腿骨は外旋位、それに伴って下腿は内旋位…という説明をしていく療法士が多いですよね。

その骨の位置関係をみていって結局何が分かるのでしょうか?

ある理学療法士に聞くと、

「どこにストレスがかかりやすいかを診ていきます」

もちろんそうですね。

他には?

いろんな意見が出てくるとは思いますが…

位置関係を診るのは骨だけだと勘違いしていませんか?

筋にも位置関係は存在します。

もちろん内臓にも、皮膚にも、筋膜にも…。

大腿骨に対して大腿直筋が外側に変位している…とか。

それだけ考えても膨大な量の評価をしなければいけませんね。

骨の位置関係と筋の位置関係は診る。

これは絶対条件だと思います。

でもこれさえ出来ない人が多いのが現状ですよね。

私の周りの理学療法士達は、5秒もあれば全身のアライメントを評価できるような訓練をしているので、それだけで全然効率が違ってきます。

まぁそんなこと言っても信じられない人達のほうが多いので、細かくは言いませんが、
キーワードは、「道具」と「感覚」です。

5秒でアライメントがみれるなんて信じられない!という方へアドバイス!
世の中の信じれないものの多くは、圧倒的に知識不足からくるんです。知らないことは信じれませんよね。

だから、学びが必要なんですけど、学ばずに否定する人が多いので、そんな人はどうぞ否定し続けてください。
知らない世界は、理解しようとしても理解できないですもんね。
知ろうとするモチベーション高い人だけ続きを読んでもらえたらと思います。

私は、理学療法士全体の底上げをするのではなくて、二極化推進運動を始めていきたいと思います。

ビバ淘汰され選ばれる業界へ!

すみません。話を戻します。

私が様々な部位の位置関係にもう1つプラスしたいのが、筋緊張の分布。

なぜ筋緊張が必要なのか。

それは、

その人特有の脳内に保存されているバランス戦略を診る為のヒントになるから。

簡単にいうと、重力に対するバランス戦略を診る為のヒントになるから。

筋緊張という話をすると、ボ○ースがどうのこうのと毛嫌いするセラピストも多いようですが…

そもそも人の身体を学んでいるのであれば、必要最低限の知識。

それさえ知らない人が多いのがこの業界。

何故でしょうね。

生理学の大切さを理解している人が少なすぎる。

知らないから否定するというのは前にお話ししたので割愛します。

背臥位で、様々な部位の位置関係と筋緊張の分布を評価することができれば、その人が地球上で生きていく上で基本となるパターンがわかります。

私はずっと言っていますが、

背臥位が安定していると思っている理学療法士が多すぎます。

背臥位であろうと、座位であろうと、私達が地球上で生活している限り、重力に対してバランスをとっていることを忘れないでくださいね。

重力を学ぶことも、理学療法士には必須項目になってきます。

アライメント、静止時の筋緊張の分布、重力が最低限の知識になってきます。

重力が必要になると言うことは、「力」を学ぶことが必要になり、「力」を学ぶと「反力」や「ベクトル」「モーメント」が必然と必須になってきますね。

理学療法士が人の身体を触る時もその「力」を使うわけなので必要な知識ですよね。

ごちゃごちゃ話してきましたが、簡単に言うと、

今から言うのがめちゃくちゃ大切ですよ?

絶対忘れないようにしてくださいね!

『地球上で生活している限り重力が身体全体にかかります。そして、様々な部位の位置関係によって重力のかかり方が変わり、それに伴い関節モーメントが変わってきます。そのままだと姿勢を保持できず崩れてしまうので、その関節モーメントに拮抗する形で筋緊張の分布が変わります。その筋緊張の分布と接地面の関係性から、その人がどのようにして姿勢を保持しているのかがわかります。それが、その人の最適だと記憶しているバランス戦略の基礎になります。』


難しい…。笑

もっと簡単に言うと、

ヒトは寝てても起きてても歩いてても常にバランスをとっていて、その戦略はヒトそれぞれ違いますよってこと。

だから、その人のバランス戦略を知ることが必要になってくるので、アライメントや筋緊張の分布から読み取っていきましょうってこと。

それがあった上で、疾患による特徴が加味されていくんです。

野球肘だから肘に問題があって肘しかみない理学療法士は、間違いです。

右片麻痺だから、麻痺側しかみない理学療法士も間違いです。

人の身体は、繋がってます。

そんな間違いを正していくためには、疾患から考えていくことをやめて、その人をきちんと評価できるようになりましょう。

疾患を診るのではなく、人を診るってよく言われてるけど、実際に実践してますか?

人を評価する為には、まずは地球上でどのような運動パターンで生きてきたかが絶対必要ですよね?

その人個人のパターンと、疾患によるパターンの組み合わせで患者さん達は動いています。

それを疾患によるパターンのみで考えようとするからわからなくなるんです。

ヒトそれぞれ違うのは当たり前。

同じTKAのオペでも、執刀医が違えばその後の経過も違う。

だから目の前のその状況をきちんと評価できるようにならなければいけない。

それをするのが私達理学療法士の仕事だと思っています。

最低限、その人の評価を出来るようになるのは学生の頃から練習できること。

疾患を合わせるのは臨床実習や実際に患者さんを担当し始めてからしかできません。

学生のうちからできることは、しっかりとしておきましょう。

理学療法の標準化。

まずは、健常人のアライメントと筋緊張の分布を評価して、バランス戦略を理解すること。重力との関係性を理解すること。

ここが最低ラインだと勝手に決めました。

批判は一切受け付けません。

だってこれは、学生同士で練習ができることだから。

毎日触って練習できるから。

知識が無くても練習できるから。

今からでも遅くない。

二極化の業界で生き残っていく方法は、学ぶことと練習し続けること。

朝から晩まで日曜日もほぼ毎日人の身体を触っている西山を追い越したい人は、それ以上触りましょうね!

今回は、とりあえずアライメントと筋緊張と重力をメインに最低ラインを決めさせていただきました。

1つずつ勝手に決めていこうと思います。笑

※ちなみに、学校で習うROMやMMT、形態測定などは疾患に応じて使っていくと思います。
TKAの患者さんに肘関節屈曲のMMTやROMを測るのは相当な理由がない限りありませんよね。
だから必要ないって話ではないですよ〜。
必要に応じて必要な評価の選択ができるようになるための前準備のお話でした。

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こちらは、セラピストの勉強用テキスト
●触察の基本技術、バランス戦略と運動パターン
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●皮膚筋膜リリース、IMF(全講義動画付き)

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