やっと書きました。カークランド戦裏話④
決して、長文が面倒くさかった分けではありません。   決して…違いますw














夢にまでみた
MGMグランドガーデンアリーナのリング。
ついにこの場所に立った。

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会場を見ると、客席も埋まってきている。

はあー。

大きく深呼吸して、上を見た。
スポットライトが眩しく感じた。
日本のリングより眩しく感じたのは、このリングに対して思い入れが強かったからだろう。


視線を落とすと、カークランドの姿が目に入った。

29勝24KO無敗
武装強盗や銃の不法所持で刑務所へ収監され
俺との試合がカムバック2戦目だった。

カジノの掛け率は、18対1
誰もがカークランドの勝利を信じていた。

偉大なリングアナウンサー、マイケル・バッファーがコールする。


From OSAKA JAPAN
NOBUHIRO ISHIDA!


大きく深呼吸してリングの中央へ
グローブを合わせる。


気持ちは高ぶっているが、それほど緊張もしていない。





やれる!





「石田くん、出てくる所に右のカウンター!」
ダイスケトレーナーが声をかけた。



僕は軽く頷いた。




ゴングが鳴る。

プレッシャーをかけてくるカークランド。そして踏み込んで左ストレートを打ってきた。


予想通り!
何度も何度も練習したパターン。



ここで俺は、強烈な右のカウンターを打った。










いや


打つはずだった(笑)



思わず僕は…
バック ステップをして、後ろに下がってしまった。


何度何度も練習したパターン、そのまんま予想通りだったのに、思わず…台無しにしてしまった(笑)
 




で、でも分かっている
簡単に下がっちゃあ駄目だ。

怖がらず手を出すんだ。パンチを打つんだ。

パンチを出してリングの中央で闘おうとするが、プレッシャーが強く、ロープを背にしてしまった。

その瞬間に出した僕の左ストレートが、カークランドの顎にまともに入った。

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相手が右ストレートを避けた所に打つ 左ストレート。得意としてる逆ワンツーのパンチだ。

すると、前につんのめるようにカークランドがダウンした。


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うおっ‼︎
((((;゚Д゚))))))


かなりびっくりしたw

いや、ほんとにびっくりしたw


狙ったパンチじゃなかったし、こんなに早くダウンを取れるとは思ってなかった。




しかし、
それ以上に観客は、驚いていてるようだった,


何が起きたんだ?
会場内は分けが分からず、ざわついている。


カークランドが立ち上がる。
ダメージはどうだ?


パンチに慣れてないラウンドでのダウン。あまり効いていないだろう。

パンチをもらって、すぐに倒れるボクサーは、ほとんどダメージがなく、立ち上がってからもすぐに闘える。カークランドもその類だろう。


焦っちゃあ駄目だ。用心深く攻めるんだ。

遠い距離からロングのストレートを打つ。
頭を下げたのでアッパーを狙う。そしてまたロングのストレート、少しカークランドの膝が揺れた。 


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あれ? 効いてる?

左右のストレート連打。


そして、

またもや同じパターンの逆ワンツーのパンチでダウンを奪った。

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よし!



立つな!立つな!立つな…!




心の中で何度も唱えたw


場内は騒然としている!



カークランドは立ったが、
ダメージがあるのは確実だった。

 


攻める。カークランドのパンチをもらうが、パンチに力が入っていない。

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攻める。このラウンドで倒し切らないと盛り返しされるだろう。

今しかない! 

倒し切るしかない!




パンチをもらいながらも踏み込んでワンツー。
カークランドは崩れ落ちた。

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3度目のダウン。

まだやるのか?



すると、レフェリーのジョー・コルテスが試合を止めた。





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うおー!


や、やったー!


ダイスケトレーナーが、コースロープから飛び出してきた。強く…熱く抱きあった。

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興奮して、訳が分からなかったw
涙が出そうだった。



会場を見ると大騒ぎとなっていた。
それはそうだろう。

掛け率18対1の大番狂わせだ。
しかも1ラウンドTKO勝ち。これに掛けていた人は、何倍の掛け率で金を手に入れただろう。



場内が騒然とする中で勝利者インタビュー始まる。

しかし、僕の勝ちを予想していなかったHBO (TV局)は、日本語の通訳を用意してなかった。
スタッフは大慌てだ。

結局、通訳できる人間が見つからずダイスケトレーナーが通訳をすることになった。




が、、、ここでトラブるが発生する。


俺はまだ興奮していて…口の中が渇いてパサパサの状態だった。

み、みすが欲しい。

周りを見渡すが、セコンド陣も興奮していてどこにいるか分からい。
きょろきょろしても、水は見当たらない。

仕方ない。舌をベロベロして、口の中を湿らすしかない。これしかない。やるしかない。

なんとか水気を与えて、モゴモゴしながら喋った。



そう、これが 後に言われる…












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ロバ事件だ。




ところで勝利者インタビューでは、
「相手は大振りで打ってくると思ったから、右のショートパンチを狙っていた。作戦通りだ。」と答えた。

たぶん、これは、試合開始早々で打つ筈だった右ストレートのことを言いたかったんだろう。




でもね。






全然、作戦通りじゃなかったんですよ。

思いっきり後ろに、バックステップしてたんですよ。僕w


心の中で、
怖くない!怖くない!
と、言い聞かせてましたが、

やっぱり…身体は
怖がってたんですよw





試合後、リング上での1枚

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左1)岡辺ダイスケトレーナー
左2)カネロプロモーション エディ・レイノソ氏
右1)グリーンツダジム代表スタッフ本田秀伸氏
右2)アメリカのマネージャーで、日本でもお馴染みルディ・エルナンデス氏







まだ続くよー。