さて前回うつ病について説明した。
そこで共通点があったときづいただろうか?

境界性人格障害もアスペルガー症候群もうつ病もある時点のみをみると

「太いヤリがひとつのところに向かっている」

という点で共通しているのである。(これまで通りヤリは認識や興味の矛先と考えて欲しい)

それゆえこの3つの病気の鑑別が難しく、これが境界性人格障害もアスペルガー症候群もうつ状態になりやすいと言われている理由である。

境界性人格障害は、「太いヤリが不安定に動く」というものであった。
特に境界性人格障害の場合、ヤリが動きやすくいろいろな所に向かうためネガティブな状態に行きがちになってしまう。
ポジティブな気持ちというものは長く続かないためこのように不安定な際はどうしてもネガティブになってしまうのだ。
それゆえ境界性人格障害は常にネガティブな側面に向かいがちであり何をやっても満足ができず慢性的な軽いうつ状態のように見えてしまう。

次にアスペルガー症候群についてであるが、「1本のヤリがひとつのところに常に向かっている状態」というものであった。
これはうつ病の状態と近いため同じように見えるかもしれない。しかし大きな違いはアスペルガー症候群の場合、ヤリは動かないので慢性的なうつにはなりにくい。しかし一度うつ状態になるとなかなか抜け出しにくいといった欠点がある。
アスペルガー症候群は自分のヤリを動かしにくいため重いうつ状態にみえてしまうのだ。

そして3つ目のうつ病に関しては前回記述した通りである。

このようにうつ状態というのは様々な病気でみられるのだが、どういう機序でうつ状態になったかを考えないと治療に難渋してしまうのである。