サイクル野郎[12]ギターとオカリナ盗まれる《 自分史[27]》 | オカハセのブログ

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上北町のライブハウスに集まる連中で最も相性が合うドラマーの「上さん(かみさん)」(仮名)という方が、山場のダムの近くのボーリング(スポーツでなくて穴掘る方です)の作業員の仕事を紹介してくれて、数ヶ月ほど働くことにした。
自分の父親くらいの歳の人と部屋は相部屋だった。主にそのオヤジさんと組んで作業したのですが、相性が悪いのか富山の時みたいに褒めて貰えることはなく、むしろ「怒鳴られたりしながらの作業」でどちらかというとイジメられモードになり、1ヶ月ほどすると嫌になってしまう。
部屋でもそのオヤジとの会話が全く無くなり、朝も起きずにいても起こされる事もなくなり、そのオヤジが帰ってくる頃も布団に入って動けなくなった(また、この症状か…)。そしてそのまま1週間ほど欠勤した。
ある夜そのオヤジが酔っ払って、布団の上から僕を蹴っ飛ばし「お前なに考えてんだ!頭おかしいんじゃねえのか!クソッタレ!出て行け!」(実際にはコテコテの津軽弁か南部訛りだった)と言われ、僕も歯向かう気もないので、翌日出て行った。何故か働いた分は全額くれた。多分「上さん」が紹介しているからなのだろう。
自転車で「上さん」の家を訪ね、辞めた事情を説明すると、もう既に知っていたらしい。ある程度想像してたのか知らないが、自分の勤めてる塗装会社の塗装工として紹介してくれた。
さすがにペンキ屋は経験あるので、イジメられる事なく勤まった。
でもここでも問題が起きる。
寮に入った(六ヶ所村原発敷地内の塗装工事で関東や関西の職人が全国から来て寮に入ったいた)のだが、どこかの職人が洗濯機から洗濯物を中々出さないので自分の洗濯が出来ない。シビレを切らし悪いとは思いながら洗濯物を出して近くの台に置いて自分の洗濯を始めると、その職人が酔っ払って戻って来て「テメエふざけんな!」となって口喧嘩になる。
なんだか問題が大きくなり親切な職人からも「兄ちゃんは職人というものがわかってない」と結局イエスマンにならないといけないらしい。
「上さん」も寮にやって来て4~5人で話をする(なんだか大きな事になってしまったヨーダ)。
結局その怒った職人は「あのガキを半殺しにする」と言ってるので、僕はここを出て行かなくてはならない事になる。その職人から僕を守るために3~4人に囲まれながらその夜のうちに寮を出る。
最後に「上さん」も「もう、仕事を紹介するのは俺の顔が潰れるからしない」と言ったが、怒っている風でもなく、その後も一緒にジャズをプレイしたりする。

八戸の街中にいる時に台風が近づいてきた。さすがに野宿は厳しい。
あるデパートのショーウィンドウと歩道の間が狭いアーケード状に長い屋根と壁が囲んである場所を見つけたのでそこならいくら強い雨でも濡れずに一晩過ごせるのでそこで野宿した。そこは呑み屋街のはずれで夜中は人っ気がないから物騒ではある。
翌朝、起きると自転車の後ろの左サイドのギターケースが無くなっていた。
ケースの中には□□さんのオカリナも入っていたのだ…

それからは数年ギターを手にしなくなりオカリナに再び出会うのはかなり先になる。

それからしばらく上北町のライブハウスに通ったりするが、冬も近いので南下する事に決めた。











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