前回、桶川ストーカー殺人事件について書かせてもらいました。
この事件の背後にある警察組織の信じられないデタラメさ。驚愕するばかりです。
この埼玉県警上尾署の不祥事に対して、世間から厳しいバッシングが起こり、国会でも取り上げられるに至って、うやむやにしようと画策していた埼玉県警もマズイと思ったのか、態度を一転して、逮捕者を含む関係者の処分に踏み切りました。
結局、狩野詩織さんの相談を受けるなど直接接触していた3名が逮捕・起訴され懲戒免職処分になっています。(年齢、役職は当時)
上尾署の
元刑事二課長・警部 片桐敏男(48)
元同課係長・警部補 古田裕一(54)
元課員・巡査長 本多剛(40)
それ以外では、
刑事生活安全担当次長 茂木邦英 (48) 減給10%(4ヶ月)
刑事部長横内泉 (40)減給5%(1ヶ月)
上尾署長 渡部兼光 (55)減給10%(2ヶ月)
上尾署刑事生活安全担当次長 山田効(46)減給10%(1ヶ月)他
埼玉県警本部長 - 減給10%・1カ月
県警本部刑事部長 - 減給5%・1カ月
などです。
逮捕された3人は、ストーカー被害で告訴を提出した狩野さんに、告訴を取り下げるよう依頼し、それを拒否されると告訴状を被害届に改ざんしたなどの罪に問われて、逮捕・起訴され懲戒免職となりました。
しかし、彼ら以外は訴追をされることもなく、減給数カ月の処分しか受けていません。
本当に逮捕された3人の独断で行われた不祥事だったのでしょうか。
それはまったく違っていると思います。
実は当初、狩野さんがストーカー被害を上尾署に訴えに行ったときは、署員は真剣に彼女や彼女の両親の話を聞き、また録音しているストーカーの脅迫を聞き、「これは犯罪です」とまで言っていたようです。
そして告訴を受理してそれを上司のもとに持って行ったようです。
その上司とは、言及10%(4カ月)の処分を受けた、刑事生活安全担当次長の茂木邦英氏です。
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以下 清水潔著 「桶川ストーカー殺人事件」より引用します。
しかしその報告を受けた茂木氏は、
「犯人が特定されていないのだから、何も告訴状を取らなくとも、被害届で操作すればよかったんじゃないのか」と
「ひどく怒った口調で」事件記録を机の上に放り投げるように置いたとのことです。
その茂木次長に告訴状を突き返された署員は、狩野家を訪れて告訴の取り下げを切り出し、それを断られるや調書の改ざんに走ったのだ。
要するに茂木次長が
「きちんと捜査せよ」
と一言言えば、事件そのものが起きずにすんだかもしれないのだ。
また起訴された署員の裁判における判決文には、
「茂木次長が成績のことばかり話し<受理してそれを上司のもとに持って行ったようです。
その上司とは、言及10%(4カ月)の処分を受けた、刑事生活安全担当次長の茂木邦英氏です。
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以下 清水潔著 「桶川ストーカー殺人事件」より引用します。
しかしその報告を受けた茂木氏は、
「犯人が特定されていないのだから、何も告訴状を取らなくとも、被害届で操作すればよかったんじゃないのか」と
「ひどく怒った口調で」事件記録を机の上に放り投げるように置いたとのことです。
その茂木次長に告訴状を突き返された署員は、狩野家を訪れて告訴の取り下げを切り出し、それを断られるや調書の改ざんに走ったのだ。
要するに茂木次長が
「きちんと捜査せよ」
と一言言えば、事件そのものが起きずにすんだかもしれないのだ。
また起訴された署員の裁判における判決文には、
「茂木次長が成績のことばかり話し、肝心の今まさに動いており、しかも詩織らが不安に脅えている名誉棄損事件の捜査をどのような態勢で進めるかなどについては、まったく話題にしないことから、茂木次長も真剣に名誉棄損事件に取り組む気がなく、茂木次長の頭にあるのは成績のことばかりだと思い、腹立たしく思うとともに幻滅した・・・」
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これを見ると、明らかにこの悲劇の元凶を作りだした張本人は、この>茂木次長ということになります。
しかし、その後一連の不祥事が世間の知られるところになると、直接詩織さんと接触していてこれら3名の署員は移動させられてしまいました。
その後、なんとマンションにあるこの茂木次長の自宅が何者かによって放火されました。
その放火犯はなんと上記3名の中のひとりでした。
彼は茂木次長のせいで自分が刑事から交番勤務へと左遷されたと恨み、上尾署内で
「あの野郎ぶっ殺してやる」
と怒鳴っていたそうです。
そしてこの放火した元上尾署員は、刑務所の中で自殺しました。
一方の茂木次長は警察の取り調べに対して、
「なんで放火されたのか見当もつかない」
といったそうです。
その茂木次長はその後も昇進をして、いまはもう警察を退官しているようです。
記者の清水潔氏が書いているように、もしあの時茂木氏が詩織さんの訴えに真剣に耳を傾け、そしてちゃんとした指示をしていれば、この事件を防ぐことができた可能性はかなり高かったと思います。
しかし、自分の出世のことしか興味がない茂木次長には、怯え苦しんでいる詩織さんの必死の助けを求める声は届かず、事件が起きた後は自分の非を全て部下におっかぶせて保身に終始しています。
上司の命令とはいえ、詩織さんの告訴状を改ざんした署員たちもあきれますが、この狡賢い茂木次長とそれをわかっていながら、罰するどころか彼を守って出世までさせる警察機構というものにはヘドがでる思いです。