不祥事・・・改善すべきは下よりも上 | おひとりさまサバイバーの日記

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前回につづき、警察の不祥事に関するネタです。

警視庁のまとめによると、平成25年中に免職と停職の懲戒処分を受けた全国の警察官や警察職員134人いたそうです。

それ以外にも停職99人、減給178人、戒告77人と処分された人は懲戒処分の基準が定められた12年以降では3番目に多く、逮捕者では過去最悪だった24年の93人に次ぐ86人で危機的な状況が続いているようです。

昨年5月に放映されたNHKクローズアップ現代では、「揺らぐ警察~組織の弱体化を食いとめられるか~」と題して、警察の取り組みを紹介していました。

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3348.html

それによると主な取り組みとして

・新人警察官に警察官としての自覚を徹底させる。
・集団生活を通じて規律の大切さを教える。
・厳しい指導に耐えきれず辞めていく新人を敢えて引き留めない。
・警察に入る前の学生の時から、検査などで適性を見極め、また警察の業務内容を十分理解してもらう

などです。

しかし、この取り組みは功を奏するでしょうか。

もちろん一定の効果はあるかもしれませんが、抜本的な解決にはならないのではと思います。

なぜなら最も意識改革を行い、改善すべきは新人警察官や若い警察官ではなく、その上に立つ人たちだからです。


組織はよく生き物であると言われます。

それは人の集団である組織が、トップの指揮のもと有機的に連携しあって活動するさまは、まさに生き物のごとくであるからです。

彼の孫子最も理想的な軍隊常山の蛇
といって、ヘビにたとえています。

つまりヘビのように頭が動けば胴や尾がその頭の後をなぞらえて動くさまが、まさに一糸乱れぬ鍛錬された軍隊の理想的な姿の例えだとしています。

強い組織≒軍隊をつくるには、兵卒を訓練して精強な兵士の集団にすることは必要不可欠ですが、それにもまして大切なのが上に立つ将の器です。

この有能で、正しい心を持ち、自分を律し、公平・公正であるかによって、その組織の生き死にが決まってしまいます。

だからこそ孫子はその兵法において、徹頭徹尾に将の大切さを説いています。(これについては改めて触れます)

その将の大切さを現したひとつの格言があります。
それは

一匹の羊に率いられた100頭のライオンは、1頭のライオンに率いられた100匹の羊に勝つことはできない

といったものです。

つまりどんなに優秀で精強な部隊も、それを率いる将がデタラメだとまったく用をなさず、逆に将が優秀で正しくあれば、弱かった兵士も強く生まれ変わり、常勝集団へと変貌するということです。

これは現代の企業においても見ることができます。

たとえば長年の赤字続きで倒産寸前でであった長崎県にあるハウステンボス
以前は従業員は自信をなくし、活気が失われていました。

しかしそこに新たな経営者が現れて状況は変わり、現在は以前では考えられないほど活気で賑わっています。

新しい経営者は、施設や従業員などは以前からある経営資源を活用しながら、以前とは比べ物にならないほどの結果をだすことができたのです。

ようは従業員などの経営資源はそれを活用するトップの能力次第でいかようにも変化するといことです。


警察組織でいえば、いくら下を鍛えたところで将≒上部が腐っていれば、どんどん規律はなくなり、弱体化していくということなのではないでしょうか。

もし今現在、組織の構成員のモラルの低下や、不祥事が続くなど組織が乱れているとしたならば、それは間違いなく上に立っている人がデタラメだったり、能力不足だったりするといったことが影響しているのだと思います。

正しく有能な指導者のもとでは起こるべくもありません。

警察機構の上層部は下にとやかく言う前に、まず自分らを省みるべきです。