2016ドラフティ進捗チェック #5 Cole Irvin | Phillyを全力で応援します。

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■手負いの左腕

 4巡目に引き続き5巡目も左腕を獲得しました。取りたい素材を確保したところで弱点を補強し、結果的にバランスが取れています。ドラフト前評価としては、全体138番目にランクインし、結果137番目の指名となったため、ほぼ妥当な順位と言えます。Irvinの指名から次に左腕を指名したのが21巡目のHenniganのため、Irvinの指名でほぼ今年に関しては左腕のニーズを埋められたという評価なのでしょう。

 元々高校生時代に29巡目でTORから指名を受け拒否、また昨年度も32巡目にPITから指名を受けており、そこも拒否して1年間大学で経験を積み、今回の順位での指名となりました。

 

■大学2年時にトミージョン手術   

 193cm82kg程度とサイズは中々。オレゴン大学出身で、1年時には防御率2.48でリーグ12勝と素晴らしい成績を収めました。このまま成長することが期待されましたが、大学2年の2014年にトミージョン手術を受け、この影響で2014年は実戦で登板することができませんでした。2015年もリハビリによって本来の力を出し切ることができなかったのか防御率4.10と1年生の時を考えると物足りない成績。最高球速も140kmに届くか届かないか、と本来のクオリティに戻せず、結果アーリーエントリーでも32巡目まで指名を受けられなかったのだと思います。

 Irvinにとっての転機は今年の春。時速140kmだった球速を時速150kmまでアップさせ、スライダーやチェンジアップなどの制度も磨くことが出来ました。結果的に自身最高の5巡目まで指名順位を上げ、めでたくPhilliesの一員となりました。

 ドラフトサイトでは、AAA~ロングリリーフまでが限界地点とされながらも、今年の春と同じクオリティ、成長曲線を保つことができれば、メジャーでも活躍できる可能性があるとされています。変化球も全て同じ腕の振りで投げ分けることができ、牽制などを器用にこなすことができる選手と評価を受けています。怪我の影響を完全に克服できれば、今後面白い存在になってくれるのではないでしょうか。

 

■A-は問題にならない。

A-では主に先発として活躍し、年間通して防御率1.97、WHIP0.96、IP45.2、SO37、BB8とほぼ完ぺきな成績を収めました。加入して1か月は慣らし器用で8月から5回、6回と長いイニングを任されるようになりましたが、それでも成績を落とすことなく、立派な活躍を見せました。

懸念事項としては、 21巡目で指名された同じ大学生左腕のHenniganが似たような成績を収めているところ(防御率1.88、WHIP0.98)。4巡目のJojo Romeroも悪くなかったため、単に左腕への対応が出来ないリーグという判断もできます。そうしたらPukの不調が謎ですが…彼の場合は奪三振数が段違いなので、今後の伸びしろは感じるのですけどね。

 まあ正直この段階で優劣をつけても仕様がないですし、この選手に関しては、2年前のトミージョン手術の影響がどれだけ残っているかが一番重要な要素で、この点は今のところ問題なさそうなのが本当に良かったです。

 何にしても貴重な左腕枠。今後の動向は期待を持って見守りましょう。