「トラッカー」トム・ブラウン | akazukinのブログ

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「日本史のいわゆる「非常時」における「抵抗の精神」とは真理追求の精神、科学的精神に他ならない」野々村一雄(満鉄調査部員)

マイケル・ルパートの精神性 2012-11-10

http://ameblo.jp/ootadoragonsato/entry-11400617248.html


マイケル・ルパートがこのような精神性を持った背景に、トム・ブラウン主催のサバイバルスクールの講習を受けていたことを知った。


トム・ブラウンとはどんな人か知らなかった。


意外にも日本で多くの書籍が翻訳出版している。


7歳のとき、アメリカインディアンのアパッチ族のグランドファーザーについてサバイバルの技術を伝授された白人としてである。


その中の一冊、


「ハンテッド~足跡鑑定のプロフェッショナル トム・ブラウンの事件ファイル」
トム・ブラウンJr著 徳間書店刊 2003年5月発行
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これは、トム・ブラウンが自分が「トラッカー」として依頼を受けた事件のいくつかをまとめたものだという。


この第一章は、戦争後遺症によって、連続殺人を犯す元特殊部隊の兵士の物語をつづった映画(「ハンテッド」2003) のモデルにもなった。


参考:
映画「ハンテッド」とトラッカー
http://members.jcom.home.ne.jp/chivalries/knife/hunted.html


トラッカーとしてのトム・ブラウンは、捜索者、行方不明者の依頼があれば協力する。

依頼主は、警察やFBIだったりする。



映画化された第一章の事件は、トム・ブラウンがアメリカ軍特殊部隊でトラッキングの指導をしていたときの生徒ネイル、といっても彼より年上だそうだが、除隊になったあと一家惨殺という凶悪犯罪をおかし、機密組織から彼の追跡逮捕の依頼を受けたことからはじまる。


ネイルは訓練時代の授業態度から問題があり、常に反抗的な様子がうかがえ、他の隊員からは技術の習得に対し感謝されることはあっても、彼からはそのような素振りも何もなかったという。


今回の事件もネイルからの挑戦状といえるような雰囲気が漂う中、トム・ブラウンに仕事の依頼が舞い込んだ。


教え子をトム・ブラウン自身が追跡するというドラマチックな展開になっている。


実話といえど、状況の配慮と内面描写が細かいうえに、小説のようなありえない展開に現実かと錯綜してしまう。


トム・ブラウンの生い立ちも異質な上にその記憶力の正確さは、インディアンである師匠から伝授されたというトラッキング技術や相手の心理を読むという高度な技術を修得しているためらしい。


素手で原野に生活し、生き抜く知恵と技術。

これを可能にならしめるインナー・ヴィジョンや深層のスピリチュアルを修得することである。


追う者より追われるものの方が常に有利というトラッキングの鉄則通り、犯罪者ネイルに誘導させられる場面がいくども現れ緊張する。


ネイルもまた戦場で経験を積み生き抜き、知恵と技術がほぼ同格である。

しかも、トム・ブラウンの癖も知っているはずだ。

ゆえに、この追跡は危険であり、駆け引きである。


違いは、スピリチュアルを理解するかしないかのみである。


本能対スピリット。


ネイルは本能のまま、エゴをむき出しに挑戦して来る。


トム・ブラウンの命を救ったのは……


ちょっと変わった、スピリチュアルな本だった。◆