神木を枯らす | akazukinのブログ

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「日本史のいわゆる「非常時」における「抵抗の精神」とは真理追求の精神、科学的精神に他ならない」野々村一雄(満鉄調査部員)

ケーブルテレビの配線の接続を遮断されてからテレビを見ていない。


12月26日(水)東京新聞夕刊に「ご神木枯死相次ぐ」の見出し。

どうやら除草剤を注入しワザと枯らせ業者が買い取りを行なったというニュースであった。


参考:薬注入で枯れたご神木を伐採へ 愛媛
12月25日 20時5分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121225/k10014428621000.html


こういうニュースを聞いて憤る人の方が多いと思うが、このような風潮が増えることは殺伐たる思いだ。


金になりさえすれば糸目を付けない思考が働いている証拠で、

神が金にとって代わる徴候である。


霊能を商売にして、神を畏れず詐称する悪徳霊能者を排出するのも似たような状況であろう。


災難災害のイベントは、かっこうのネタで、垂れ流し、不安をあおって商売する。


むかしからこういうのは戒められ、悪い見本とされていたが…その傾向に流される人が増えると常態化しまいかねない。




それを真に受ける人々もいつの世も存在する。


もし家長たるもの真に受けて家族を不安におとらしめるなら、家族は他に救いを求めに出てゆくかもしれない。


妻がエホバに入信してしまったと嘆く夫の話を聞いてみると、夫が株で大損し家計を切迫させ、地球滅亡を説いているのを始終聞いていれば妻は夫を信用しなくなるかもしれない。


悪徳霊感商法の商品を購入してしまった人のブログを読んでいると、商品を購入してしまった妻の行いを発見した夫は妻を責めるのではなく、放ったらかしにしていたことを誤ったという。

これは良いほうに展開した例である。


とはいっても、ニセモノ観音様のおかげだからといって業者に感謝することはない。


普段より感謝して生活していればこんな悪徳業者にひっかかることはない。



近所でヘルパーをしている人の訪問先に100歳になるおばあさんが一人で生活している家がある。


このおばあさんは長年のナンミョー信者でこの年まで元気で来れたのはナンミョーを毎日唱えているおかげだと言っている。


反論はしない、そうだと思う。


ある日、別所帯で生活している家族がおばあさんの預金通帳を見たとき多額のお金が引き落とされているのに驚いたそうだ。


その後もおばあさんはナンミョーを唱え続けているが、通帳は家族が管理するようになった。

という話を聞いた。


どうしておばあさんが一人で生活しなければならなくなったのか他人のうちのことなので聞くことはしないが…



家族やコミュニティが崩壊してゆく原因のひとつには、お互い信頼できなくなっているのではないか。


家族や仲間を安全に生活できるよう、個々の責任のみならず一族を率いる長の責任は重大である。


ささいな不祥事でこけてはいられない。



何百年も何千年もの樹齢のご神木は、その土地にの守り神として地域に根を張って加護してこられた長老のような存在の象徴として住民は感謝し、大切にする。


ご神木だけを大事にするのではなくその地域環境も大事にする。


伐採する材木購入業者は、そんなことお構いなしである。

自分が欲しいという木があれば手に入れられるようあの手この手を尽くすのである。

嘘であっても構わない。


いつから、山を見ながら手入れをしなくなったのだろうか。

道理と人間のあいだを遮るものが入り込んできたのは。



そういえばこんなことがあった。


新聞の販売仲介業者が初めてきたときのことである。


新聞配達員がついでに勧誘することはあったが、今回の人はビールケースを抱えてきた。

なんでも、この地域でうちだけが東京新聞をずっととっていて、他社のを入れたことがないという。


狙い撃ちであった。

どうして情報が漏れたのだろう。


巨人が強かったときは讀賣をとっていたが、弱くなって近所から新聞販売店が無くなったのでもう何十年前に東京新聞に親が換えた。


この仲介業者の話しでは、東京新聞と讀賣新聞を交互にとってもらわないと販売店の成績の関係で収益が上がらなくて困るという。


両社が取り決めて時期が来たら購読者を交換するのは合意の上だという。


東京新聞と讀賣新聞はグルなのか。

と思った。


野球でも敵対同士のはずの両社がグルなら結局どの新聞も同じってことじゃないか。

とも思った。


マスコミが同じニュースを垂れ流して、違いがなくなって劣化するのと一緒だな。


……ちょっと気持ちの整理つかない隙をついて仲介業者は「飲まない」といったビールひとケースと「買わない」といったコンビニの商品券を置いてさっさと来年からの契約を済ませてしまった。


一週間以上これらとにらめっこしていた。

意を決してグルかも知れない東京新聞の販売店に電話をした。

理由を説明したら、すぐ飛んできた。


いうなれは、そんなことは、ありえない……

ことだった。


贈り物を返品して解約してくれるというので、全部持っていってもらった。

これは、仲介業者個人の利益のために細工するのであって販売店はたまったものではない。


こんなくだらないことに、時間を取らせて…。


私は景品が欲しくて新聞をとっているわけではないので、押し売りされたことをちゃんと断れなかった自分に腹を立てた。


ご神木購入業者も、悪徳霊感商法も、新聞仲介屋も自分の利益のために周りを巻き込んでいる。


身の回りに起こる小事は、大事なことへの警告と見る。◆