ポッドの種類 | 井上正幸のブログ

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最近の流行りは9シェイプでゲインラインの攻防を有利にしつつ、防御が崩れたらポッドで攻撃するという形。そのため、両サイドにラインを形成する。
各チーム色々なアイデアがあるが、両サイドのリサイクルを確保するために3列の選手をポジショニングさせ、タイトファイブ(実際はフランカー一人入って6人)で真ん中のポッドを2つ作って9シェイプで攻撃。
キヤノンはこういう4ポッドを使っている。

パナソニックはこの形で9シェイプは順目に移動していく。逆目のポッドで攻撃するのは、原則タッチラインからの9シェイプの後のみ。
10は常に移動して数的優位を作り出す。
桐蔭学園もこれに近い。


帝京、サントリーもこの形に近いが、どちらかと言えば、3列で10シェイプを形成し1ラインで攻撃。リンゲージにおいて防御をコントロール(スライドを止める)を意識している。もちろん、タッチライン際からはポッドで残って逆目のオプションを作る。

さらに高度なのは、NZのポッド。同じように4つのポッドであるが、10だけでなく15と二人ポッド間を移動し、数的有利を作り出す。
タッチライン際からは10と15は2つのシェイプの後ろにリンゲージしてポジショニングするのでプレッシャーがかかると、ブロッカーアタックが可能になる。
さらに9シェイプとハーフが簡単なムーヴをして防御をコントロールする。

豪州は、同じ4ポッドであるが、防御をストレッチさせたとこを9シェイプで防御を崩すことも意図している。そのため、タッチライン際から9シェイプと10シェイプにフォワードの2ユニットを配置し、ポッド間を広くし、なるだけ離れた位置にボールを動かす。
10シェイプでブレイクダウンできた場合はリサイクルを速くし、順目に間に合わなければタッチライン際のポッドで攻撃、順目へ誘導され逆目インサイドのポジショニングが間に合わなければハーフが持ち出し、もう1つのユニットで9シェイプで防御を崩す。

防御が選択せざるを得ない状況を意図的に作り、状況判断の優れたゲニアの能力を活かす良いアイデアだと思う。