私が最後にあの人に投げ返したカレーは目に見えるものでした。

その瞬間、加害者は私、被害者はあの人。

目に見えるカレー投げ返したから。




カレーを無理やりに食べさせられたと気がついた3/5の朝。
私は50年の人生で初めて朝風呂に入りながら声を殺してて泣いた。
あぁこれは善意のイジメだったのだと初めて気がついた。
私は見えない拳で長い時間、心を殴られていたのだと、初めて気がついた。

泣いた。声を殺して嗚咽が漏れるのを防ぎながら、口を押さえて泣いた。
肩を震わして泣いた。

あぁ私の心は死んでいたんだと、殺されたのだと初めて気がついた。



あの人は最後に、私がカレーを投げ返す前に、
ハバロネ入りの激辛カレーを食べろと無理やり口に入れてきた。


あれ?
私、お付き合いの中で「辛いのダメなの。バーモント甘口しか食べれない」と話してたはずだが?
何度も話したけど?
あの人も言ってきたよね「甘口しか食べれないもんね」と
そりゃあしつこい位に言われたはずだけど?


なんで今、私にハバロネ激辛カレーを食べろと出す?
そして無理やり食べさせる?


私は怒った。
「辛いの食べられない!!!」って、
怒りでカレーをあの人に投げつけた。
突然に。

そしてあの人の前から突然立ち去った。
全ての連絡手段を消して。


私は悔しかったのだ。
あんなに「辛いの食べれないよね」と言ってきたのに、忘れ去られている。


あんなに「辛いの食べれないんだよね」って言ってたのに忘れてる。


私は忘れられていた事が悲しくて悔しくて怒ったのだと理解していた。



そして怒った理由をここで書いた。
今は消している。

怒った理由を、あの人の作ったハバロネカレーのレシピを書き綴った。
私は激辛が食べれない理由とともに書いた。


そう思っていた。
私は怒っているのだと、わかってもらえなくて悲しくて悔しくて怒っているのだと。






違った。
全く違った。
イジメだったのだと初めて気がついた。


毎日無理やりカレーを食べさせ続けられていた。
「いやだ」「もういらない」と言い続けたのに。
聞いてもらえていなかった。
伝わっていなかった。


あの人は激辛ハバロネカレーを私に食べろと無理やり食べさせた。


あんなに「辛口食べれないんだよね」と言い返してくれていたのに、伝わってなかった。


全ての謎が解けた時、それは善意の名をまとったイジメだと初めて気がついた。