皆さんは、私の友人の一人であるひろこさんとその娘・ゆみちゃんを覚えていらっしゃるだろうか?
(誰よ、それ?!って方はこちらをどうぞ・・その1その2

周りの人の予想通り、ゆみちゃんはホームスティ先で全く打ち解けることができず、日々自分の部屋に引きこもって暮らした。毎日スカイプで日本の家族へ連絡してきては「帰りたい」と言っていたそうだ。

ゆみちゃんのホームスティ先は、そこのホストマザーが日本での滞在歴7年がある方だった(英会話の先生をしていた事があったそうだ)だから、日本語もそこそこ話せたし、食事もお米を使った料理が出たそうだ。そして、特筆するべくは、そこの家庭には他にも二人ホームスティしていて、彼女たちは既に2年以上も滞在してるという事だ。だから、それを聞いたとき、たとえお金目的で留学生を受け入れてたとしても、何年もそこにいたいと思わせるほど素敵な家庭なんだろうなぁと思った。お金のためだけじゃなくて、本当に人と接することが好きな人なんだろうって思いませんか?

それなのに、ゆみちゃんは部屋へ入ったまま、家族と過ごすことを余りしないまま帰ってきてしまった。きっとそこのホストファミリーは困惑したと思う。気に入らない点があるなら、言ってほしいと思ったと思う。でもきっと、ゆみちゃんはその家族が気に入らなかったのではないのであって、単にホームシックだけだったんだと思う。だけど、そういう事さえもゆみちゃんは説明しなかったことは、想像に難くない。文句を言うわけでもない、ただにやにやとして何も自分の意見も言わないゆみちゃんを見て、ホストファミリーはどう思ったのだろうか?


たった40日間で何か特別なことを得て来るとは思わない。でも、全然自分から当たって砕けることをしないで帰ってきてしまうなんて、本当にもったいないと思う。もしかしたら、もっと自分の別な一面を発見できたかもしれないのに・・。外に出ても何1つ自分の生活スタイルを変えない、とわかっただけでも儲けもの、と思えばいいのだろうか、こういう場合。

ゆみちゃんが現地で撮ってきた写真を見せてもらったが、どれをとってもただ建物が写っているだけで、よくわからなかった。おまけに人が一人も写ってないのだ。「ゆみちゃんがいたところは、人が住んでないゴーストタウンなの?」と聞いてみたら、単に朝早く撮ったから誰も写ってないとのことだった。写っていた建物に「Box Hill」と何度も出てきたので「ゆみちゃんがいた所は Box Hill という所なのね?」と聞いたら、「知らない」と言われてしまった。ガクリゆみちゃん、あなた自分がいた街の名前さえも知らないまま帰ってきたの?私が「だって、病院とかにも Box Hill って書いてあるよ?と言ったら「じゃぁ、そうなのかも」との答え。その撮った写真は後々大学でレポートに添付するという。それもテーマは「食事」。確かにフードコートが写っていた。メニューの看板も写ってはいたが、どれもピントが合ってなくて、何がいくらでとか肝心なところは読めなかった。「何か食べたの?」と聞いても「別に何も買わなかった」と言う。唯一オーストラリアで自分で買って食べたのは、マックフライポテトのみ、なんだそうだ。

何だかなぁ・・。お金持ちの娘さんって、こういう感じで時間が流れていくのだろうか・・。私だったら、せっかく何十万も払ってやってきた場所だから、という思いが募って、もっと何かしらなんでも自分で見てみようって思うけどなぁ。

先月ゆみちゃんは二十歳になった。未だにお母さんが選んで買ってきた洋服を着ていくゆみちゃん。人様の娘なんだから、と思いつつも、それで本当に人生楽しいの?!と突っ込みたいおせっかいおばちゃんの私でした。しょぼん