歩道にもまだたくさん雪が残る中、ゆっくりと両親を式場である小さな教会へと連れて行った。教会

仏滅だったけれど、他のカップルの列席者もチラホラといた。

やっとの思いで教会に着いた私たち。
そこで初めて父と母に切り出した。

私「ねぇ、ママ達って今年結婚50周年だって知ってた?だから、今日はウェディングドレスの写真を二人にプレゼントするよ」

母「えぇー?!そうだったっけ?あなたが今年年女で48歳だなんて早いね、と話していたけれど、まさか自分たちが50周年だなんて、気がつかなかったわー」
驚きを隠せない母。そうだよねー。
母「あなたが、無駄毛処理がどうのこうのって言うから、てっきりエステか温泉にでも行くのかと思っていたわー。」

早速係りの人たちに案内されて、支度室へと向かった。

既にメイキャップ担当の方もいらっしゃって、すぐに母の支度を始めてくれた。

父はその間ずっと無言。たまに私が話しかけても「うん、そうだね」くらいしか言わなかった。

ゆっくりと、でも確実にきれいになっていく母・苦笑
父はその姿をずっと見ていた。

やがて、父はなんだか落ち着かなくなってしまったので、別室で待たしてもらうことに・・。嘘みたいな展開に、どうしていいのかわからなくなってしまったらしい。

母のドレス候補が4着ほど用意してあったが、母に選んでもらった。
(係りの方が前もって私に連絡をくれて「お申し込みいただいたプランの予算内でのドレスを用意しておきますね」と言ってくれたので、安心だった。そういうほんの小さなことだけど、細かく気配りしてもらえたのがとっても嬉しかった。)

太目の母ゆえ、着られるか心配だったけれど、何とか大丈夫なものがあって胸を撫で下ろす。

母は、見違えるように変わった自分を見て「この見事にしみが消えるのは、なんていう化粧品なんですか?」とか子供のように聞きまくっていた。プロの人にお化粧してもらうなんて、生まれて初めてだものねー。にひひ


そうこうしてるうちに、祖母や子供たちを乗せた主人が式場に到着した、と係りの方が教えてくれた。車椅子の祖母も、何とか教会の中に入れ、みなで着席して父と母を待った。
(この時点では、まだ両親はあくまでも写真撮影しかしないとしか思っていなくて、挙式をすることまでは知らなかった。)

名古屋から出てきた主人の父も一緒に参列。これでいつでもOK!と思っていたのに、なぜか車を停めに行った主人が戻ってこない。係りの方も「どうしちゃったんでしょうね?」と不安顔。下見に来たときに、停める駐車場も決めておいたのに、どうしちゃったんだろう・・。
予定時間が過ぎても戻らなかったので、仕方ないので主人抜きで始める事に・・。

アカペラで「Amazing Grace」の独唱が流れる中、入り口の扉に皆で注目した。

つづく・・