第104回「カホンの選び方~リバーシブルタイプのススメ~」 | 打楽器奏者・嶋崎雄斗のプレイヤー日記~折れない心と折れていくスティック~

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日本ではストリート系ミュージックでよく見かける「カホン」という打楽器。

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ただの四角い木箱のような見た目だが、打楽器奏者なら必ず1台は持っていたい便利な楽器である。あまり知らない方もいるかと思うので、カホンの何が便利かと言うと…



・様々な楽器の代わりになる

→叩く場所によって低音~高音を細かく使い分ける事ができる。そのため、ドラムセットからラテンパーカッションまで、この木箱ひとつで様々な楽器のようなリズムを叩きだせるのが特徴。



・持ち運びがしやすい

→木の板の中は空洞で軽い上に、ちょっとした小物楽器なんかもカホンの中に収納できる。電車移動も余裕なので、カホン用ケースはリュックタイプになっているものが多い。



・コストパフォーマンスが良い

→これだけ色々できる楽器としてはかなり低価格。基本的には3~5万、超高価なものでも10万前後、安価なものだと1万を切る。





と、自分で書いていてもカホンの素晴らしさにウットリしてしまう…うふふふ…(ノ´▽`)ノ








そんなカホン。

魅力的な多様性があるからこそ音色や形などが試行錯誤され、今では非常にたくさんの種類が存在する。

数多くのキャラクターから自分好みの1台を選べる事は、我々プレイヤーからすると嬉しい。

しかし初心者やこれからカホンを始めようという方にとっては悩ましい事だそうで、先日も後輩の打楽器奏者から「カホンってどういうの買ったら良いんですか?」という質問が…。



というわけで、今回は【カホンの選び方】について個人的な感想も含め書いてみたい。









①大きさ

特にこだわりがない、よくわからないという場合は当然「標準サイズ」がオススメ。

カホンはその体積が大きいほど低音が出やすく、小さいほど高音が出やすいが、その逆も然りである。大きいカホンで高音を出したい、小さいカホンで低音を出したい、といった要望には技術(演奏者側のテクニック)が必要だし、もちろん限界もある。

だいたい30cm×30cmの正方形に、打面が45cmくらいのサイズが高音も低音もバランス良くできていて販売数も多いため、最初の1台としてはこのサイズを選びたい。






②響き線

カホンの打面内側についている響き線…これがあるおかげで単純に木の板を叩いただけではない「ジャッ」という音色が生まれる。

この響き線には大きく分けて「スティール(ギターの弦のような真っ直ぐのワイヤー)」と「スナッピー(スネアの裏についている、波のような線を数本並列したワイヤーの束)」があり、「スナッピータイプの方が調整が必要ない分初心者向け」とする傾向が強い。

ただ個人的には音の好みもあるし、叩き比べてみて良いと思った方を選ぶべきだと思う。そもそも店側も試奏される事を想定して、バランス良く調整をしたものを販売しているはずだ。

また、自分が最もよく使っているカホンは調整が必要とされる「スティールタイプ」だが、買った時からその音色が非常に気に入っているのでほとんど調整をした事がない。





③材質

カホンは木でできている楽器のため、その材木によって音色にかなりの差がある。

バーチやメイプルなどドラムのスティックにも使用されるような木から「なんじゃこりゃ」と聞いた事もないような木材まで超豊富な種類があり、こればかりは実際に試奏してみるか、店員さんに叩いてもらうのが良いだろう。

「音色なんかサッパリわからないよぉぉぅ!」と嘆く方はもう「色合い」で選んでしまおう。どうせなら好きなデザインのものを叩く方が楽しいでしょ?






④打面タイプ

通常は1つの打面があるだけだが、最近は色々なニーズに答えて様々な打面がある。有名なものは、打面を2~3つに分けてそれぞれ完全に違う音色が鳴るようになっている「分割タイプ」や、打面が表と裏にあり、1台のカホンで2種類の音色が出せる「リバーシブルタイプ」だ。

個人的に好きなのは「リバーシブル」。裏面がやや硬めの音で、響き線がついていないものが主流。表は通常のカホンと同じ機能をするので、曲やジャンルによって表裏を使い分けられるのが嬉しかった。

一方「分割タイプ」は、他のカホンよりも手順に制限があったり、分割しているせいで音がまとまらなかったり音量にムラがあったりするものが多いのであまりオススメしていない。

(この記事の最初に出てきたカホン写真もリバーシブル。裏の打面はこんな感じ)
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以上、少しでもカホン選びの参考になれば幸いである。



ちなみに、カホンはやりたいが家で爆音はちょっと…という方にオススメなのがトラベルカホン。

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持ち運びの楽さを重視したシリーズのカホンで、音量もそこまで出ないしヒザに乗せて叩けるので下の階への振動もない。そして激安、確か4000円前後!!

いやぁ、気軽にパーカッションを楽しめるようになりましたねd(^_^o)











あぁ、いつのまにかカホンメーカーの回し者みたいになってしまった….w