あなた以上にあなたを感じる一枚撮ります
Take Your Light
写真家るっちーこと鶴岡です。
シリーズ「写真展をやってみよう」、今日は第3回。
テーマは「写真展に出す写真を選ぶ」です。
写真展にどんな写真を出すのか、これを選ぶことはとても大切なこと。
昨日書いた写真展4つのスタイル、
① 一人でやる「個展」
② 展示会場で募集している「公募展」
③ 会場を貸し切って仲間内でやる展示。
④ 写真のイベントの後の展示(イベント連動型)
のすべてでこの「選ぶ」という行為が必要になります。
この中で④のイベント連動型の場合は、そのイベント内で撮った写真から出すことになるので、その中から自分が好きな写真、気に入った写真を出せばOKです。
②公募展と③仲間内の展示の場合は、展示に決まったテーマがあるので、それに沿っていて、かつ自分が好きな写真を選ぶ必要があります。
個展となると、もう自分でテーマを決めるところからスタートです。
個展をやるくらいまで撮っていれば、自ずとテーマは見えていることが多いので問題ないのですが、やっかいなのが実は②公募展と③仲間内の展示でのセレクトです。
これが慣れるまでは大変でしょう。
なぜか、それは
他人から与えられたテーマ
だからです。
テーマを見ていると普段好きで撮っている写真と被らないことも出てきます。
普段の写真で包含しているテーマでも、そのテーマに深く沿うためにどう撮りたいのか、吟味と精査が必要になってくる。
被写体そのものがテーマになっている場合(「山」とか「花」とか)なら、まだ判断もしやすいです。
感覚系のテーマ(「shine」とか「旅の途中」など)は、それが自分にとってどういうものなのか、それを写真でどう表現するのかを考えるところから始まります。
同じ花がテーマでも「気持ちが晴れる花」と「散りゆく花」では撮り方が変わってきます。
そのテーマをいつも頭に置きながら写真を撮ることになります。
このおかげで自分の写真の幅を広げてくれることにもなるので、時にはチャレンジなテーマを選ぶのもアリですね。
■出す写真のイメージが決まったらさあ撮影だ
写真展のテーマが決まったら、まずは出したい写真のイメージを吟味。
こういう写真が撮りたい、
こういう写真でテーマを表現したい、
これが見えてきたら60%は撮り終わったと思っていいでしょう。
見えてこない場合はノートとペンを出してテーマから浮かぶ言葉を連想ゲームのように書いていくのがオススメ。
イメージが固まったら撮りに行きます。
ここでやっと撮影です。
撮りたいのが花なら撮りたい花が撮れる場所へ行く。
ポートレートならモデルさんを誰かにお願いする、場所を選ぶ、日時を調整する。
んで撮る。
それで撮りたい写真が撮れれば撮影は終了。
納得がいかない場合はもう一度撮りに行きましょう。
満足いく一枚が撮れるまでこれを繰り返します
こうして言葉にすると「撮る」ってあっけねぇ
■過去作を出してもいいんです
テーマから撮りたい写真が浮かばない、春の写真を出したいけど今は夏だから次の春まで待てない、なんてこともあります。
時間が待ってくれたらいいのにって何度思ったことか……w。
でも、そんなときは昔撮った写真を見返してみましょう。
その中にもしかしたら「これだ」というものがあるかもしれません。
その写真、出しちゃいましょう。
いままで撮りためた中から選んでもいいんです。
その際は過去に展示していない写真にしましょう。
写真展の規定で「作品は未発表作であること」と記載されていることもあるので。
■大切なことは「作品でどうテーマを表現したか」を伝えられること
新作にしても、過去作にしてもテーマが意識にあって選んだ写真なら、一目見てさほどテーマから離れていると感じることはないはずです。
でも、自分の中でより作品を伝えるために言葉で「テーマをこう捉えて撮りました」伝えられるようにします。
展示で自分がその場所にいる時に自分の写真の前で立ち止まっている人を見ると「どう感じてくれてるのかな」って気になって話しかけたくもなります。
「この作品素敵だなあ」と感じている人が大半ですが、中には「ん?」と思っている人がいるかもしれません。
そんなときに「テーマをこう捉えて撮りました」と伝えられると、見ている人は作者の意図や作品の中のストーリーをなぞって、より深く感じられるようになる。
写真の見方は人それぞれで、感じ方もそれぞれです。
無限に広く感じられるからこそ、「わたしはこう見てもらいたいんです」と伝えることは作者にとって大切なことだと思うのです。
というわけで今回は写真展出す写真の撮影とチョイス、いかがでしたか。
次回は作品のプリントについて。
写真は画面で見るのとプリントで見るのは大違い。
デジタルになってプリントが疎遠になってしまっているから、慣れないことも多いでしょう。
せっかくですから自分が「いい」と思ったプリントを展示したいですよね。
それに向けてのポイントをご紹介します。
お楽しみに。
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