あなた以上にあなたを感じる一枚撮ります
Take Your Light
写真家るっちーこと鶴岡です。
シリーズ「写真展をやってみよう」、今日は第4回。
プリントへ向けての準備のあれこれです。
昔は当たり前だったプリント。
子どもの頃はよくお店にフィルム出すのと同時にプリントお願いしましたね(年がバレるw)。
いまや写真はすっかりデジタルになって、見るのもプリントではなくて画面が当たり前。
世代によってはプリントって何?、って人もいるのかな。
昔はプリントなんて黙ってても出てきたけど、展示用となるとやること、決めることがドカンと増えます。
決めることを大まかに分けると
①枚数
②大きさ
③展示のスタイル
④プリントする紙
⑤プリントする方法
です。
この記事は前編として①と②をお話しします。
■決める前にまずは写真展のルールを確認しよう
これらを決めるにあたり、まず展示での一人当たりの展示のスペースの大きさを確認しましょう。
展示によっては一人当たりの作品を飾れるスペースが決まっています。
例えば、先日展示したPhoto Bar {sa-yo:}さんでは、一人あたりのスペースが幅80cm×高さ90cmで、その中に納まるなら大きさや枚数は自由です。
こうして割り当てられるスペースが決まっている場合は、プリントのサイズがあまりに大きいとはみ出てしまいますし、展示できる枚数も少なくなってしまいます。
スペースを考慮しながら、どの写真を出すのか、何枚出すのか、と決めていくのがこれからの作業です。
ちなみに、スペースの広さと枚数、プリントのサイズは相互で作用します。
なのでバランスよくととのえるには時間も労力もかかる作業です。
けれどこれを完成させると展示の質がグッと上がります。
せっかく展示するのですから、ここも細かく見ていきましょう。
■「枚数」は候補の写真を全部プリントして決めよう
プリントする写真を選ぶとき、展示する枚数をいくつにするのかを考えておくことはとても大切です。
写真展によっては枚数やサイズがルールによって決まっていることもあります。
逆に決まっていない場合やスペースの寸法は決まっていてその中で自由に展示していいよ、というスタイルの場合は枚数を決めるところからスタートです。
枚数、同じ雰囲気の写真を飾っていても、2枚で見せるのか3枚で見せるのかで見た目の印象が変わってきます。
2枚の展示だとそれぞれの対比を感じ、3枚以上になるとストーリーが見えてきます。
先日の展示では「目を開けている、閉じている」という対比にしたくて二枚構成に。
とはいえ、どの写真にするのかを画面で見て決めるのは大変な作業。
展示したときに「あれ、なんか違う」となります。
まずは候補の写真を小さいサイズでいいのでプリントしてみましょう。
大きさはL版で、おうちにプリンターがあるならそれでプリントしたものでもいいです。
とにかく紙にして目の前に並べてみる。
実際に自分で見て感じて、その中で違和感のあるものはどんどん外していく。
やっているうちに「この写真好きなんだけど、この中に入れたら浮いちゃうな」というのも見えてくる。
展示は与えられたスペース全体で一つの作品を描くので、好きな写真でも並べて違和感を感じるのであれば外します。
その勇気は大切です。
これ以上外せないとなったら今度は位置を変えてみる。
そのときに実際の展示スペースに入るようなレイアウトで置いてみましょう。
自分の目で見てみて、しっくりくる並びを探す。
その時に意識してほしいのは自分の目がどう動くか。
人間の視線の動き方には特徴があって、例えば
・最初に上の左に行って、そこから上の右、下がって下の左、下の右と動く。
アルファベットの”Z”の書き順、すーパーのチラシのレイアウトもこれです
・暗いほうから明るいほうへ動く。
外側に明るいところがあると視線が写真の外へ逃げちゃう
・人物の目が写っている場合はその視線の先へ動く。
右を向いていたら右へ、下を向いていたら下へ
・下を向いて撮ったものは下に、上を向いて撮ったものは上に配置すると自然に見える。
こんなことを頭の片隅に入れながら、自然と写真を追える配置になるようにそれぞれのプリントの位置を変えてみる。
小さいサイズでプリントするのはこの配置換えを簡単にするためです。
いろいろやっていくうちにどこかでピターーーッとハマるポイントが出てきますよ。
わからなくなったら、ほかの人に聞いてみるのもOK。
■プリントの大きさを決める
プリントの枚数と配置が決まったらプリントの大きさを決めていきます。
写真のプリントサイズはいろいろあって、お店によってはこのような図を用意しています。
ヨドバシカメラさんHPより
同時プリントのL判や集合写真でおなじみの2L、もっと大きいサイズなどたくさんあります。
風景写真を大きなサイズで展示すると、ほんと気持ちいい景色が広がります。
とはいえ、デカくすればいいってもんでもないのがまたサイズ選びの難しいところ。
さらに額に入れるとなれば寸法はもう一回り大きくなります。(額については後編でお話しします)
上で書いたように展示の規定で作品を飾れるスペースや枚数も決まっているでしょう。
あまりにサイズが大きければ飾れる枚数も少なくなってしまいます。
そんな規制が多い中での”ちょうどいい”をこの中から探していきます。
プリントサイズを選ぶときのポイントは、小さなものを撮ったのなら小さく、大きなもの広大なものを撮ったら大きくする、です。
小さなお花なら小さく、雄大な山の景色なら大きく。
ポートレートでも顔が大きく写っているものを大きくプリントすると主張が強くなります。
全身が小さく写っていて向こうに青い空が広がっている、そんな写真は大きくプリントすると迫力が出ますね。
こういうのは大きくプリントしたい
プリントのサイズが決まったら、一度作品データをパソコンで開けて、縦横比をプリントのそれに合わせてトリミングします。
これはデータの縦横比とプリントの縦横比が異なるため、データをそのまま出してしまうと写真の一部が意図しないところで切られてしまいます。
切られた場所によっては作品のイメージがガラッと変わってしまいますので、あらかじめ自分でトリミングしておきましょう。
もし写真に追加のレタッチが必要ならば、ここで一緒に済ませておきましょう。
と今回はここまで。
書いてたら思ってた以上にいろいろ書きたいことがあって膨れ上がってしまいましたので前編後編に分けました。
実際に展示の準備をしている際も「どの作品を採用して、どのように並べるか」んはとても時間を使います。
ここにどれだけエネルギーを注いだかで展示の出来の7割が決まってしまいます。
それだけここが大切で伝えたいことなんですよね。
正直つらい時もあるけど、展示のイメージが頭の中でだんだんと形になってきて楽しいところですから。
次回はプリント前のいろいろ後編です。
展示する際に使う、額やパネル、そしてプリントのオーダーまでのお話です。
お楽しみに。
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