実は初演のときに観に行こうか迷っていた作品。
その時は結局観に行かなかったんだけど、今回のこのタイミングで足を運ぶのが正解だったんだなぁ、と思いました。

初演の時に観ていたら、きっと私は卑屈になって、ムーシュを羨んで、憎んで、蔑んで、、ネガティブでもやもやした気持ちで劇場をあとにしたハズ。
ムーシュの境遇に自分自身が投影できてしまうからこそ、辛かっただろうな、と。

物語の世界では、主人公は必ず誰かに愛される。
でもそれは自分自身にはそんなに都合よく起きたりしないから、納得がいかない。
何でそんなに上手く事が運んで丸く収まるんだ、って。
これはこの作品に限らずだいたいの物語に感じることなんだけど^^;

舞台を観ていたら、理不尽な出来事にはまず怒るべきだったのかなぁ、、とか、
そこに理由を探すのは無駄なのかもなぁ、、とか、
何で自分ばかりを責めたのかなぁ、、とか、
“ちゃんと”相手を責めていたら、今頃すっかり消化出来てたのかなぁ、、とか、
何でこんなにずっと燻らせちゃってるんだろう、、とか。
色々と考えました。
どうしたら癒されるのかは全く分からないけど。
自分が体験したことには何かしらの意味があるのだから、蓋をしてなかった事のように生きるのだけはやめよう。


そうそう、開演前に観客参加型の舞台だという説明があって、「じゃあ舞台に上がる人もいるんだ~」とまるっきり他人事のように考えていたら、私が舞台の隅っこに上がってしまいました!笑
照明のあたる舞台上を観て(あぁ~、いいなぁ~~)ってときめきました。
私はもう舞台上で役を生きるなんて出来ないと思うけど、でもやっぱりいいよねー、役者って生き方は。
せめて自分の人生に於いてはプレーヤーとして在ろう。
誰に見せるわけでもない物語の主人公。
ちっぽけだけど、これ以上ないよね。