その人の瞳は美しかった。
深みのある不思議な引力にいつもすぅーっと引き込まれていた。
この人は違う星の人なのだろう。
何となく、そう思っていた。
使う言葉もユニークで文章になると個性的な表現が際立っていた。

あんなにも瑞々しく柔らかな感性を持ったまま、その人の生きてきた年月を過ごすにはどれだけの痛みに触れてきたのかと想像しただけで倒れそうになる。
その痛みに飲み込まれずにそこに在る、その人の存在自体がとても美しかった。