女声合唱団シューベルト・コーア

(すみだトリフォニーホール大ホール)

今年もすみだ音楽祭を聴きに行けることが、とても幸せです。本番にこぎつけるまでの色々を、指導スタッフであるみいあさんや指揮の吉元さんに聞いてるってのは言うまでもなく、コロナ禍で当日まで何があるかわかったもんじゃないですしね。


それでも演奏がひとたび始まれば、そんな苦労など感じさせない素晴らしい演奏。

自分の母とも同世代であろう、お母様がたの日々の頑張りに涙が出そうになります。


今回の曲目を、順に紹介します。

【シューベルトのセレナーデ】

いつも聴いているこの団のテーマとも言える曲。

演奏会マスクを着用しての歌唱、どう聴こえるのかと耳を澄まして第一声を…え、マスクしてるのほんとに?とビックリするくらい自然な音色、ピアニシモでも歌詞のしっかり伝わる子音の響きです。


【マイフェアレディ『踊りあかそう』】

リズミカルな音楽の中で、メインのメロディだけでなく対旋律の歌詞も良く聴こえました。キーボードのチェレスタのようなキラキラした音色がいい仕事してます。


【『JIN』メインテーマ】

テレビ見ないので💦原曲がどんなかわからなくて申し訳ないんですが…

歌のない曲にドラマの内容を加味した、オリジナルの歌詞をつけたとのこと。これもキーボードの色付けが凄く良くて、優雅な感じのピアノパートを引き立てています。合唱のオーケストレーションも他ではちょっと真似できない難易度(ソプラノ特に!)

壮大な世界観を感じる編曲と演奏に感心しました。


【『ゴッドファーザー』メドレー】

アルトが主旋律を歌う時の音色が揃っていて深みがあります。ソプラノはここでも大変な難易度ですね。後半から最後に向けての盛り上がりは大迫力でした。ブラヴィ言えないのがツラいです。


★ここで合唱休憩のためにピアノ連弾タイム★

【『情熱大陸』メインテーマ】

F先生とT先生のパワフルなデュオ、今回も楽しみに聴きました!

イントロはジャジーなルバート、からのリズム炸裂はチックコリアのスペインみたいですよね。

テーマも中間部も、連弾ならではの厚みのある響きがとても華やかで、お二人のノリノリの演奏が気持ち良かったです。

ブリッジにT先生のハンドクラップも飛び出して、カッコよさ炸裂!!でした。


★再び合唱ステージ★

【ピアソラのリベルタンゴ】

この団での初演の頃から何度も聴いていますが、編曲も演奏も着々とアップデートしているのが明確にわかる演奏。リズムを生かすために歌い方をとても工夫しているのが伝わります。

中間部のF先生のピアノソロ部分や、そのあとのT先生のキーボード(ギターの音)の間合いも最高にカッコよかった。

そして何より凄いのは…ラストのピアニシモでの囁くような場面でも、歌詞がよく聴こえてくるということ。マスクして歌っていること、もう聴いてる側の頭の中から完全にすっ飛んでましたね。素晴らしいです。


【ショパンのノクターン21番遺作】

ピアノ曲に「恋を失った女性」の気持ちを歌詞にして乗せたとのことです。この曲はとても好きで、特に秋の気配を感じると聴きたくなるので…この時期にぴったりではないかなと。

歌はハーモニーの美しさを利用してふわっと空間に漂わせ、ピアノの細かな動きはそのまま生かしてピアノ曲を聴く喜びも味わえるような編曲でした。

F先生のピアノ良かったなぁぁぁ(うっとり…)


【シベリウスのフィンランディア】

冒頭の重く迫力ある場面からきっちり合唱も活躍する、他では聴けないアレンジ。今回も「讃歌」の部分の天国的なハーモニーから、終盤の盛り上がりまで渾身の演奏、凄まじかったです。


★アンコール★

【『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」】

さすがこの団ならでは、テノールのアリアの歌い出しまでのオケパートもきっちりと合唱アレンジ。

聴いていると、ソプラノの主旋律はテノールのアリアとほぼ同じこと歌ってるの物凄いなー!!ゔぃんちぇろーーー♪のあと、ちゃんと上のhの音まで!!!ひぇーー!(白目)


編曲と指揮の吉元さん、指導チームの皆さま、そして素晴らしい歌を届けてくださった団員の皆さま、今回もお疲れ様でした。


いつもながら、長くなっちゃってすみません。

長文を気兼ねなく書ける、blogっていうプラットフォームも大事に使わなきゃね。