日曜日撮影 宇都宮大学工学部の枝垂桜
最近、多くの訃報を聞きます。
結社の地元句会の方も亡くなりました。やはり、身近な方が亡くなるのは悲しいですね。葬儀の際には、俳句と写真の入れられたファイルが展示されていました。生前に「句集なんてとても手が届かないけど、自分のためにまとめているのよ」とおっしゃっていました。
享年80歳。福祉関係のボランティアに力を尽くされ、本当に素敵な方でした。
童子主宰 辻桃子先生のお母さま、辻りんさんも105歳でお亡くなりになりました。桃子先生は、りんさんに勧められて俳句を始めたそうです。
りんさんが100歳のときに上梓された句集「百歳句集」を読みました。
この句集には、りんさん84歳から100歳までの句が収められています。
80歳で逝った連衆や義父母を思うと、百歳過ぎまで句を詠んでいたりんさんは、つくづくすごい方だと思います。
○菊人形イチローの手の生々し
○万歳をせしひもありし敗戦日
○幼子は臍まで濡らし桃すする
○仕方なく飼はれて秋の金魚かな
○一匹の秋の金魚となりにけり
○残る鴨たつたの二羽が喧嘩して
○人の世もとどのつまりは牡丹散る
○寝疲れといふ疲れありスイートピー
○句などもうすつぱり止めた明易し
○薔薇一輪やめたはずなる句帖出し
自分の中の孤独と反骨精神を冷静に見つめ、他者には優しい視線を向けながら詠んだ俳句の数々。
私が100歳まで生きられたら、詠めるようになるのかなぁ