豊後大野市三重町にある大分県立農業大学校で授業を行いました。

 

 

 

 

農業大学校は、2年制の短期大学です。全学科の学生(約70名)が受講してくれました。講義のタイトルは「社長になろう」。農業を目指す学生に、「なにか起業してみないかい!」と語りかけました。

 

 

↓は講義の中で使ったスライドです。

 

 

社長になるための登山道は様々。別に商学部や経済学部でなくとも構わない。今のIT系社長は理系が多いし、教育学部は教員になるためだけの学部ではなく、経営に不可欠な知識である。もちろんみなさんのいる農学部もこれからはチャンス大だ!と語りました。

 

さらに言えば、社長になるには「学歴不問」だと・・・。大学どころか高校に行っていない中卒の大社長も世の中にはたくさんいると話しました。

 

授業は、午後イチで一番眠たくなる時間でしたが、この「学歴不問」を伝えると、みんなの目がキラリと輝き、一斉に私に視線が注がれました。

 

その後は、眠気モードも吹き飛び、教室が一体となり授業を順調に進め、いよいよ最終章のスライド前あたりに入った頃・・・一部の学生がソワソワ。

 

なんと、、、牛の世話の時間で畜産課の学生は退出しなければならないとのこと!いやはや、これには驚かされました。

 

講義終了後の質問時間には残った多くの学生が手をあげてくれました。私の言葉が響いたと実感できました。

 

 

さて・・・

 

 

 

↑先週末に、知人たちと別府市の内成(うちなり)棚田に見学に行ってきました。日本の棚田100選に選ばれた美観エリアですが、この20年で急激に荒廃していっています。理由は担い手不足、高齢化による耕作放棄地の拡大です。現在1300枚の田圃の約半分が放棄地になっているそうです。

 

 

 

 

赤い枠が放棄地です。放棄すると、雑草が生え、次にススキが生え、さらに進むと竹など(樹木)が生え、数年で山になっていきます。内成の棚田は1000年の歴史があります。それがわずかこの20年でご覧のような危機に瀕しています。

 

我々が棚田のある里山をみるとホッとするのは、それが日本の原風景だからだと思います。DNAに刻まれた日本文化そのものを感じられるからです。それを守る人が急速にいなくなっています。

 

その意味で、大分県立農業大学校の学生は貴重な存在です。

 

農業と関わるようになって思うのは、「農業はビジネスという物差しだけで計ってはいけない」ということです。難しい課題ですが、我々のできることからやっていきたいと思います。