「経営課題は何ですか?」と尋ねられれば、「人手不足です!」と即答します。「人・モノ・カネ」が経営資源と言われますが、今、圧倒的に足りていないのが「人」です。しかもこれは今後さらに厳しくなります。日本社会の構造的問題です。

 

我々が関わるお店やホテルなどサービス産業においては特に深刻です。出店依頼があっても、「人繰り」が出来ないので断らざるをえない状況が続いています。わが社のみならず多くの企業において「人手不足」が成長を妨げています。

 

チェーンストアでは、パート・アルバイトさんたちが店舗運営を担っています。午前から日中の時間帯は子育て中の女性が多く働いており比較的人手は足りています。しかし彼女たちは夕方から夜間は勤務できず、この時間帯は主に学生アルバイトや正社員によりシフトが組まれます。また同様の理由から土日の人手も学生に依存している状況です。

 

ほとんどのお店にとって、17時~19時の時間帯、または土日祝日は売上が高いのですが、肝心のこの「稼ぎ時」に特に働き手が不足しています。地方だと就労できる外国人もほとんどいません。

 

そこで着目され人気(!)なのが、「高齢者」というわけです。

 

 

 

先週末、ハンバーガーチェーンに行って驚きました。5人くらいいたスタッフすべてが「孫がいるかな?」くらいの女性たちでした。10年前だと違和感があったと思います。でも顧客目線は変わりました。そんな高齢者(プレミアムエイジと言うそうです)が働く姿を「普通」と感じはじめ、今や「最先端」と感じるようになりました。

 

こうした環境下、当社でも高齢者雇用を積極的に行うことにしました。

 

すでに60代はもちろん、70代の方も活躍してもらっていますが、これまで「新規採用は60歳未満」としていました。これを撤廃し、60歳を超えた方の積極採用に舵を切りました。

 

ではなぜ、これまで「60歳未満」にしていたのか?

 

それは、POSレジ、業務用タブレット、PC、Web予約などスマホ操作、つまりIT機器の教育が高齢者には難しいとの現場判断からです。(以前は見ただけで拒絶の高齢者が多かった!)

 

でも時代は進みました。10年前と比較し、高齢者のITリテラシーは向上し、PCやスマホ操作ができない60代は、ほぼいなくなりました。

 

 

 

、思わず我に返ったのです。

 

「おっと!自分も60だった!」

 

「こんなに若いのに(心の声です)、ポッポの面接を受けられないなんてあり得ない!!」

 

、方針変更をしたのでありました。

 

応募のキャッチコピー「60代大歓迎!」では微妙に癪に障るので「バブル世代歓迎!」を現場に推奨しました。いや待てよ!「プレミアムエイジ」の方がよかったか!?

 

60歳で新しい職場に入り75歳まで働いたとすれば15年の在籍です。15年間と言えば、永年勤続表彰レベルです。すでにわが社には50代から入社し、今は60代70代の永年勤続のファミリーが多く在籍しています。

 

 

入社17年目の女性ファミリー

 

 

入社12年目の女性ファミリー

 

 

入社11年目の女性ファミリー

 

 

入社11年目の女性ファミリー

 

 

入社5年目の男性ファミリー

 

 

シニアライフでもっとも重要なことは、「健康寿命」だと思います。その健康寿命を長く保つために、多くの医師が推奨する最善策は「働くこと」です。

 

今後60歳以上の入社を増やし、「人手不足」を解消するだけでなく、「健康寿命」の促進に貢献したいと思います。